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変形性股関節症のアルゴリズム

脊椎疾患との鑑別や合併を念頭に置くことが必要であり、個々の症例に応じた手術の選択が必要な場合があるため(特に青壮年期)専門医に相談も考慮する。
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1: 青田恵郎先生ご提供

股関節の構造

右側の股関節。大腿骨頭をはずした状態で、寛骨臼とともに示す。
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1: 編集部作成

Trendelenburgテスト

外転筋群の筋力低下を検出する検査。図は左側の検査のため左下肢で片脚起立するところを、後方から見ている。正常(陰性と表記する)では外転筋群の作用で、反対側の骨盤が挙上されるが、変形性股関節症(図の場合、左側)では反対側の骨盤が下垂することが多い。この場合、陽性と表記する。
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1: 編集部作成

股関節の可動域表示ならびに測定法

社団法人日本整形外科学会が会告で公示した方法。原則として他動運動による測定値を表記する。人工股関節が入っている場合には、脱臼を起こす可能性もあるので、慎重に行う。
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1: 関節可動域表示ならびに測定法(平成7年2月改訂).日本整形外科学会雑誌 1995;69(4):240-250.

Thomasテスト

股関節の屈曲拘縮を検出する手技。図は左股関節を検査するため、右股関節を深く屈曲させたところ。正常では、左膝後面は床に接したままである。これに対し、屈曲拘縮があると、左膝が曲がってくる。これは、反対側股関節を深く曲げることで腰椎の代償性前弯がなくなり、骨盤の前傾がとれるためである。図では患者が自分で行っているが、検査者が屈曲させてもよい。変形性股関節症では病期の進行に伴って屈曲拘縮が出現することが多い。
a:屈曲拘縮がない場合
b:屈曲拘縮がある場合
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1: 編集部作成

Patrickテスト

FABER手技(hip flexed, abducted, and externally rotated maneuver)ともいう。検査したい側(写真では右側)の股関節を屈曲・開排して、足部を反対側の膝蓋骨の上に置き、検査側の膝を軽く圧迫する。検査側の鼠径部の痛みが誘発されれば陽性。陽性の場合、検査側の股関節に痛みを起こす病態(炎症など)が存在することが示唆される。
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1: Frontera WR: Essentials of Physical Medicine and Rehabilitation, 2nd ed.Saunders,2008より

股関節機能判定基準(1995年改訂版)

評価者が質問と計測を行って記入する。疼痛の40点は、まったく正常な股関節を対象とする。可動域の点数は屈曲・外転ともに10°刻みで評価し、屈曲は10°で1点、外転は10°で2点を与える。拘縮がある場合にはその角度を差し引いた点数とする。右下の表記法は、両側機能と片側機能を分けて記載するようになっている。両側とも正常であれば、それぞれ100点(満点)になる。人工股関節全置換術の適応となる関節は40~50点程度のことが多い。なお、人工股関節を設置している患者では、脱臼の恐れがあるので、強い屈曲や内転は避けたほうがよい。
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1: 日本整形外科学会股関節機能判定基準. 日本整形外科学会雑誌1995;69(9):860-867.

股関節外転筋の筋力強化訓練

強化する側の股関節を上にした側臥位で行う。下肢を伸展した状態で上方に持ち上げ、5秒間保持してからゆっくり降ろす。20~30回ずつ、1日に2~3回実施する。筋力が比較的強い人であれば、図のように1~3kg程度の負荷を加えると効果的。
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1: 編集部作成

変形性股関節症の大腿骨頭と単純X線像

a:人工股関節全置換術で切除した大腿骨頭の冠状面での割面。向かって左が内側、右が外側である。荷重部では関節軟骨が消失して軟骨下骨が露出し、辺縁には変性した関節軟骨が残っている。骨形成(骨棘や骨硬化)と骨吸収(骨嚢胞の形成)が併存している点が特徴である。患者は骨棘をトゲと誤解するが、実際には骨棘ができることで骨頭の輪郭は滑らかな楕円状になっている。
b:単純股関節X線像
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1: ⻘⽥恵郎先生ご提供

変形性股関節症の単純X線写真(病期分類)

正常股関節と、前関節症・初期関節症・進行期関節症・末期関節症の単純X線写真
a:正常像
b:前股関節症
c:初期股関節症
d:進行期股関節症
e:末期股関節症
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1: 高取吉雄先生ご提供

保存療法で疼痛が寛解した症例

10年間の経過でroof osteophyte (→) が大きくなり、疼痛が軽快し、関節裂隙も開大している。
a:48歳(股関節痛のため受診)
b:58歳(疼痛は寛解している)
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1: 高取吉雄先生ご提供

人工股関節全置換術の手術手技

右股関節にセメントレス人工股関節を設置する場合の概念図
a:側臥位での後側方アプローチの皮切を示す。大転子を中心に8-10cmの切開を行う。
b:大殿筋膜を縦切開し、短外旋筋群と関節包を切離し、大腿骨頭が視野にある。
c:大腿骨頭を切除し、大腿骨を前方に寄せた段階。寛骨臼下端にレトラクターが挿入されている。
d:リーマーを用いて寛骨臼を拡大している(リーミング)。
e:リーミングの方向を示す。外方開角は35〜45°程度とする。
f:大腿骨髄腔に大腿骨コンポーネントを設置している。
g:人工股関節を整復。
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1: 編集部作成

人工股関節の模式図

セメントレス製品の模式図。部品の名称は人工股関節審査ガイドライン(厚生労働省、薬食機発第0306001号、2009年3月6日)を参考にした。
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1: 編集部作成

外転筋強化訓練

1は表面が滑らかな板、2は抵抗を与えるために用いる弾力性のある帯
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1: 高取吉雄先生ご提供

前方進入寛骨臼移動術の単純X線写真

19歳女性の前股関節症に対し左寛骨臼回転骨切り術を施行。術直後のレントゲンで大腿骨頭の被覆は改善している。術後1年で寛骨臼の骨切り部は骨癒合し、移植した人工骨も同化している。疼痛は寛解している。
 
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1: 著者提供

急速破壊型の経過をとった患者の単純X線写真

54歳女性。初診から4カ月で骨頭の1/3が消失し、寛骨臼にも骨吸収が起きた。
a:発症前の股関節(腰痛のため受診し撮影)
b:前医受診時(左股関節痛出現から4カ月後)
c:紹介初診時(前医受診後4カ月。人工股関節術前)
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1: 青田恵郎先生ご提供

人工股関節全置換術の単純X線写真

75歳女性。左股関節に末期の変形性股関節症を認める。
a:初診時
b:手術後2カ月
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1: 青田恵郎先生ご提供

変形性股関節症のアルゴリズム

脊椎疾患との鑑別や合併を念頭に置くことが必要であり、個々の症例に応じた手術の選択が必要な場合があるため(特に青壮年期)専門医に相談も考慮する。
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1: 青田恵郎先生ご提供

股関節の構造

右側の股関節。大腿骨頭をはずした状態で、寛骨臼とともに示す。
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1: 編集部作成