股関節唇損傷の理学所見:FABER test
仰臥位で下肢を胡座位とし、脛骨結節から診察台までの距離を計測する。患側が健側に比して5㎝以上大きければ陽性とする。股関節内の炎症の存在を疑うが、仙腸関節に異常があっても陽性となるので注意する。
出典
1:
内田宗志:股関節唇損傷.今日の臨床サポート,2013,エルゼビア・ジャパン
股関節唇損傷の理学所見:前方インピンジメントテスト
Anterior impingement test:仰臥位で股関節を他動的に屈曲、内転、内旋させ、疼痛および引っかかりが出現した場合に陽性とする。FAIにおける感度の高い検査法であるが、特異度は高くないので注意が必要である。
出典
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内田宗志:股関節唇損傷.今日の臨床サポート,2013,エルゼビア・ジャパン
股関節唇損傷の理学所見:後方インピンジメントテスト
Posterior impingement test 仰臥位で反対側の股関節を屈曲位に保持させ、被験側の股関節を他動的に屈曲、外転、外旋する。疼痛および引っかかりが出現した場合に陽性
出典
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内田宗志:股関節唇損傷.今日の臨床サポート,2013,エルゼビア・ジャパン
Patrick (FABER) test
Anterior impingement test、FADIR (Flexion Adduction Internal Rotation) test
Drehmann sign
Thomas test
対側股関節①を最大屈曲すると、検側股関節が自然に屈曲②する場合に陽性
Trendelenburg sign
a:健側での片脚起立 b:患側での片脚起立
変形性股関節症のX線病期分類
a:前股関節症 b:初期股関節症 c:進行期股関節症 d:末期股関節症
出典
1:
西井孝先生ご提供
変形性股関節症のX線病期分類
参考文献:
上野良三:変形性股関節症に対する各種治療法の比較検討. 3.X線像からの評価. 日整会誌 1971;45: 826-828.を一部改変
出典
1:
西井孝先生ご提供
特発性大腿骨頭壊死症
a:帯状硬化像 b:Band pattern c:Cold in hot 像
出典
1:
西井孝先生ご提供
特発性大腿骨頭壊死症診断基準
確定診断: 5項目のうち2つ以上を有する
除外診断:腫瘍、腫瘍性疾患および骨端異形成症は除く
出典
1:
厚生労働省難治性疾患克服研究事業 特発性大腿骨頭壊死症の診断・治療に関するガイドライン 平成15年度(改変あり)
大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の症例
単純X線(a)では骨頭の陥没や骨折線はあきらかでないが、MRI T2強調像(b: 横断像、c:冠状断像)では関節面近傍に線状低信号像(矢印)や骨頭から頚部にひろがる高信号の骨髄浮腫像が認められている。
出典
1:
西井孝先生ご提供
急速破壊型股関節症例
発症後、比較的短期間での急速な骨頭および臼蓋荷重部辺縁の骨破壊が認められる。
a:発症時 b:4カ月後 c:5カ月後
出典
1:
西井孝先生ご提供
FAIの画像指標
a:cross-over sign(pincer type)
b:骨頭直下の前方骨突出(cam type)
c:pistol grip deformity(cam type)
出典
1:
西井孝先生ご提供
強直性脊椎炎の画像所見
a:左股関節裂隙の狭小化と両仙腸関節の強直(矢印)
b:bamboo spine
出典
1:
西井孝先生ご提供
乳癌の転移性骨腫瘍例
単純X線では、臼蓋内側に骨梁の不鮮明化がみられるのみだが(a)、骨シンチグラフィーでは強い集積像が認められ(b)、CTでは臼蓋後方の骨破壊性変化(矢印)があきらかである(c, d)。
出典
1:
西井孝先生ご提供
股関節唇損傷の画像診断
a, b:放射状MRIや関節造影後CTの放射状再構成像では、関節唇断裂部に信号変化や造影剤の流入がみられる(矢印)。
c:関節鏡検査が確定診断に有用である
出典
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西井孝先生ご提供
学童期の化膿性股関節炎例
a, b:発症早期では単純X線で異常が検出されないことが多いが、MRIで関節液の貯留や膿瘍の形成が確認される(矢印)。
c:診断後、排膿・デブリードマンが施行された。
出典
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西井孝先生ご提供
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)*の診断指針 (日本股関節学会指針)
* 狭義の診断指針:明らかな股関節疾患に続発する骨形態異常を除いた大腿骨-寛骨臼間のインピンジメント
出典
1:
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/変形性股関節症ガイドライン策定委員会編:変形性股関節症診療ガイドライン、南江堂、2016:204-207.
股関節の画像診断の進め方
出典
1:
西井孝: 股関節の画像診断の進め方. 整形外科臨床パサージュ3 運動器画像診断マスターガイド. 中村耕三, 吉川秀樹編. 中山書店, 2010;170-184.
股関節疾患と他領域疾患との鑑別の進め方
理学所見や誘発テストなどを通じ、他領域疾患を鑑別に挙げ、画像診断やブロックの効果判定などにより診断を進める。
参考文献:大橋寛憲ら: 股関節痛と間違いやすい痛み. 運動器の痛みプライマリケア 股関節の痛み. 菊地臣一編. 南江堂, 2011;94-103.