・COPDの重症度は、FEV1低下の程度のみならず、運動耐容能や身体活動性の障害程度、さらに息切れの強度、QOLの程度(CATスコア)や増悪の頻度と重症度を加味して総合的に判断する。これらの評価は初診時のみでなく、定期的に繰り返すことが大切である。
・禁煙は、一般のタバコのみならず、電子タバコ・加熱式タバコも例外ではない。また、受動喫煙からの回避のための教育および環境整備を行う。
・ICSは喘息病態合併患者に追加併用を行う [『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版』表1]。また、頻回の増悪(年間の中等度の増悪が2回以上、および/または、重度の増悪が1回以上)かつ末梢血好酸球増多(参考値300 /μL以上)患者においてICSの追加併用を考慮する。ただし、わが国でICS単剤はCOPDに保険適用ではない。
・マクロライド系抗菌薬はCOPDに保険適用ではなく、クラリスロマイシンが好中球性炎症性気道疾患に保険収載されている。
・肺合併症や全身併存症の診断、重症度の評価および予防、治療を並行する。特に喘息病態の合併は薬物療法の選択に重要な因子である。
SABA:短時間作用性β2刺激薬、SAMA:短時間作用性抗コリン薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、ICS:吸入ステロイド薬