未治療の喘息重症度の分類
喘息の重症度は軽症間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の4段階に分かれる。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p8.表1-7、協和企画、2021.
喘息コントロール状態の評価
コントロール不十分が3つ以上当てはまる場合は、コントロール不良と判断し、治療ステップを変更することを考慮する (治療ステップ[ID0702])。なお、増悪治療は別のアルゴリズム参照のこと。[ID0703][ID0704]
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p107.表6-6、協和企画、2021.
現在の治療を考慮した喘息重症度の分類(成人)
治療されている喘息患者の重症度は、現在の治療ステップとその治療下における患者の症状から判定する。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p113.表6-9、協和企画、2021.
典型的なNSAIDs過敏喘息症例の臨床経過 37歳、女性
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NSAIDs過敏喘息におけるアラキドン代謝異常(推論)
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1:
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各臨床像におけるNSAIDs過敏喘息の確率
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1:
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NSAIDs過敏喘息が否定的な臨床像
以下の2項目以上満たせばNSAIDs過敏喘息はかなり考えにくく、3項目以上満たせばほぼ否定できる。
出典
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NSAIDs過敏喘息(疑い例も含む)における解熱鎮痛薬の安全性
出典
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NSAIDs過敏喘息ではコハク酸エステルステロイドの急速静注は禁忌、リン酸エステルステロイドにも注意が必要
ステロイドそのものは難溶性のため、静注用ステロイドはエステル構造化されており、コハク酸エステル型とリン酸エステル型がある。NSAIDs過敏喘息では、潜在的にステロイド骨格にではなく、コハク酸エステル構造に過敏な体質を有する。これは(ステロイド骨格を持たないがコハク酸エステル構造を有する)クロラクフェニコール静注薬でも同様の増悪が誘発される成績からも証明されている。したがってコハク酸エステルステロイドの急速静注は大増悪を招きやすく非常に危険である。一方、リン酸エステルステロイド製剤のほとんどが水溶製剤のため添加物(サルファイトやパラベンなど)が入っており、その急速投与も安全とはいえない。結論として、注射用(静注用)ステロイドを用いる場合、リン酸エステル骨格のデカドロンやリンデロンの点滴投与が最も安全であるが、コハク酸エステル型ステロイドも1~2時間以上かけて点滴すると副反応がほとんどおきないため、“喘息患者には静注ステロイドは一律に急速投与(筋注含め)は禁忌とし、点滴投与とする”と決めると医療事故が起きにくい。なお内服のステロイド製剤は内因性ステロイド骨格と同様の構造でありエステル構造をとらないため、ほとんど副反応の報告がなく非常に安全である
[2]
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出典
1:
著者提供
解熱鎮痛薬過敏喘息カード 名刺サイズ、表面(2017改訂版)
NSAIDs過敏喘息患者では、すでにNSAIDs過敏と診断されていながら、自己判断で、あるいは他の医療施設や他科で誤ってNSAIDsの処方を受けることが非常に多い。それを防止するため、患者カードは非常に有用であり、患者へは必ずこのカードを提示するように指導しておく(表はNSAIDs禁忌と使用可能なNSAIDs、裏面[ID0612]は増悪時の対応を記載)
[30]
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出典
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著者提供
解熱鎮痛薬過敏喘息カード 名刺サイズ、裏面(2017改訂版)
NSAIDs過敏喘息患者では、すでにNSAIDs過敏と診断されていながら、自己判断で、あるいは他の医療施設や他科で誤ってNSAIDsの処方を受けることが非常に多い。それを防止するため、患者カードは非常に有用であり、患者へは必ずこのカードを提示するように指導しておく(表[ID0611]はNSAIDs禁忌と使用可能なNSAIDs、裏面は増悪時の対応を記載)
[2]
[30]
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出典
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喘息管理目標(JGL2021)
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p2.表1-1、協和企画、2021.
未治療患者の症状と目安となる治療ステップ
症状の重症度([ID0602])を参照に初期治療を選択する。症状の頻度で簡略すると、毎週でないのが軽症間欠型(治療ステップ1)、毎週だが毎日出ないのが軽症持続型(治療ステップ2)、毎日だが日常生活に支障がないのが中等症持続型(治療ステップ3)、日常に支障を来しているのが重症持続型(治療ステップ4)となる。 (治療ステップの各治療[ID0702])
なお、増悪治療は別のアルゴリズム参照のこと([ID0703][ID0704])。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p110.表6-8、協和企画、2021.
喘息治療ステップ
症状の強さによって1~4週間後に再受診させ、コントロール不良であれば治療のステップアップを考慮する。(コントロール状態の評価[ID0603])
いったん3カ月から6カ月の間コントロールができれば、治療のステップダウンも考慮する。なお、増悪治療は別のアルゴリズム参照のこと([ID0703][ID0704])。
*4「急性増悪への対応」については「喘息予防・管理ガイドライン2021」参照のこと。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p109.表6-7、協和企画、2021.
喘息増悪の強度と目安となる増悪治療ステップ
おもに呼吸困難の程度を基に、増悪強度を評価し、増悪治療のステップを選択する。(喘息の増悪治療ステップ[ID0704])
横になれる程度の増悪を軽度症状、苦しくて横になれずかろうじて歩けるのを中等度症状、苦しくて歩行できないのが高度症状、意識障害、呼吸停止、チアノーゼを認めるのが重篤症状である。
なお、長期管理は別のアルゴリズム参照のこと([ID0701][ID0702])。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p125.表6-12、協和企画、2021.
喘息の増悪治療ステップ
喘息増悪の強度([ID0703])に応じて初期治療を決定し、1時間以上経過しても治療目標が達成されない場合は、次のステップの治療を行う。
なお、長期管理は別のアルゴリズム参照のこと([ID0701][ID0702])。
出典
1:
日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2021、p126.表6-13、協和企画、2021.
NSAID過敏喘息の診断の実際(谷口ら)
出典
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