症例1:リウマチ性僧帽弁狭窄症(MS)による二次性重症TR
両心房と右室拡大が著明である。三尖弁の弁尖肥厚はないが、弁輪が拡大しているため、収縮期に弁尖同士が離開している。長期にわたる僧帽弁狭窄症→左房圧上昇→肺静脈圧上昇→肺動脈収縮→肺高血圧→右室後負荷上昇→右室拡大&三尖弁輪拡大→弁尖接合不全→重症TRが病態である。
症例1:リウマチMSによる二次性重症TRの右内頚静脈怒張と拍動
TRの逆流が上大静脈→右内径静脈へ伝わるため、右内頚静脈の怒張と拍動がみられる。
症例2:外傷による三尖弁逸脱の重症TR(カラードプラー)
血流が右房-右室の間で旋回しているように見える。
症例1:リウマチMSによる二次性重症TRの収縮期右房→肝静脈への逆流
TRの逆流が右房→下大静脈へ→肝静脈に伝わる。収縮期に肝静脈内に赤い逆流がみられる。
症例2:外傷による三尖弁逸脱の重症TR(一次性TR)
健常の若年男性が交通事故で胸部打撲を受け、TRと診断された。著明な右室と右房の拡大があり、三尖弁前尖が大きく逸脱しており、収縮期に前尖と中隔尖完全に離れてしまった。逆流孔が大きいため、逆流速度が遅く(静止画)、心雑音も聴取されず、右室と右房の圧較差がわずかである(右房と右室の一体化)。
症例1:リウマチMSによる二次性重症TRのカラードプラー動画
接合不全の三尖弁口から太いTR血流が右房に吹き込む。
症例1:リウマチMSによる二次性重症TRの肝静脈血流波形
全収縮期に肝静脈内逆流(上向き波形)がみられる。
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症例2:外傷による三尖弁逸脱の重症TRのパルスドプラー波形
経食道心エコーで記録したTR血流のパルスドプラー波形。重度のTRの流速は遅く(Vmax≒1m/s)、通常乱流であるはずの逆流血流が層流になっている。
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弁接合不全による重症TR
僧帽弁狭窄症に由来する二次性TR
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