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画像・曝露評価・BAL・病理組織診断に基づく過敏性肺炎の診断

確定(>90% 確信度)、高い確信度(80~89%)、中程度の確信度(70~79%)、および低い確信度(51~69%)。
 
画像所見、曝露評価、BALリンパ球増加および病理組織学的診断の総合評価に基づくHPの診断。MDDを行って信頼度を検討する。
*追加された臨床情報や病理組織診断に対するエキスパートのセカンドオピニオンを考慮した再評価においても病理医の結論が変わらない場合は、信頼度が上がって「確定」となる場合がある。
 
出典
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e55, Figure 6.

重症度

出典
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1: 厚生労働省. 難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85). [https://www.nanbyou.or.jp/entry/302](2025年2月参照)

非線維性過敏性肺炎の CT パターン

*モザイクパターン:すりガラス陰影+正常肺を指し、ここでは細気管支病変の意味ではない。
**2021 CHESTガイドラインでは分布の違いは考慮されない。
出典
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1: 日本呼吸器学会. 過敏性肺炎診療指針2022. p63 表1(Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of hypersensitivity pneumonitis in adults. An official ATS/JRS/ALAT clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e46, Table 5より改変転載)

線維性過敏性肺炎 CTパターン

参考文献:
Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e48, Table 6.
 
出典
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1: 著者提供

非線維性(細胞性)過敏性肺炎における病理組織診断の基準

出典
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1: 日本呼吸器学会. 過敏性肺炎診療指針2022. p65 表3(Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of hypersensitivity pneumonitis in adults. An official ATS/JRS/ALAT clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med 2020 202(3): e50-e51, Table 7より改変転載)

線維性過敏性肺炎における病理組織診断の基準

Hot tub lungの組織所見は従来の過敏性肺炎の非線維化型および線維化型と異なり、これを除外する。
線維性過敏性肺炎では、線維化のない領域で非線維性(細胞性)過敏性肺炎の特徴を認めることがある。この所見に線維化を認める場合、線維性過敏性肺炎診断の組織学的な裏付けとなる。
架橋線維化は胸膜下の線維化巣と小葉中心または小葉中心領域の線維化巣を繋げる線維化。
過敏性肺炎の肉芽腫は小さく、密な集塊を形成せず、サルコイドーシスでみられる肉芽腫周囲の硝子性線維化を伴わない。
 
以下は今回の指針執筆に際して付記された項目
1) Chestガイドラインには記載されているが、UIP様の線維化を認めることもある(表を参照)。
2) ACIFがなくても、肉芽腫がみられる場合、気道中心性にcellular IPがみられる場合は過敏性肺炎と判断するべきである。
3) 肉芽腫の場所として、気腔内も含まれているが、IPFの蜂巣肺近傍や他の炎症性病変でもこのような所見は非特異的に観察されることを注意すべきである。
 
NSIP:nonspecific interstitial pneumonia(非特異性間質肺炎)、UIP:usual interstitial pneumonia(通常型間質性肺炎)、ACIF:airway centered interstitial fibrosis(気道中心性線維化)。
出典
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1: 日本呼吸器学会. 過敏性肺炎診療指針2022. p66 表4(Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of hypersensitivity pneumonitis in adults. An official ATS/JRS/ALAT clinical practice guideline. Am J Respir Crit Care Med 2020 202: e50-e51, Table 7より改変転載)

過敏性肺炎(HP)の病型

*再燃症状軽減型の一部は、慢性経過で線維性過敏性肺炎となる。
出典
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1: 著者提供

代表的な胸部HRCT画像

Typical HPとCompatible HPのHRCTパターン。Typical非線維性HP画像パターンは、(A)小葉中心性結節影、(B)吸気CTでのモザイクパターン、および(C)呼気CTでのair-trappinである。Compatible非線維性HP画像パターンでは、均一で微細なすりガラス影と嚢胞を認める(D)。Typical線維性HPパターンは、(E)分布に優位性のない頭尾方向にランダムな分布の粗い網状影と限局した蜂巣肺があり、(F)小気道病変を伴っている。Compatible線維性HPパターンは、肺線維症のパターンおよび/または分布は、様々である。(肺底および胸膜下優位、(G)上肺野優位、(H)中枢または気管支周囲優位(矢印)、または(I)線維性すりガラス影が単独あるいは小気道病変に関連して認められる)。Indeterminate線維性HPパターンには、通常性間質性肺炎パターン、非特異性間質性肺炎パターン、器質化肺炎様パターン、あるいは真にindeterminateな所見が含まれる。
出典
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e47, Figure 1.

代表的な胸部HRCT画像

Three-densityパターン。
過敏性肺炎患者のHRCT画像では(A)吸気および(B)呼気CTにおいて:高吸収域(すりガラス)(赤星)、明るい領域(CT値が減少し血管が減少した領域)(赤矢印)、および正常な肺(黒矢印)、この3つの異なる濃度の領域を示し、これらは互いにはっきりと区別される。
出典
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e49, Figure 2.

代表的な病理像

非線維性HP患者からの外科的肺生検標本。
A:低倍率顕微鏡写真、20倍。肺構造は保たれ、細気管支周囲で病変が強い細胞性慢性間質性肺炎を示す(*)。
B:高倍率顕微鏡写真、88倍。単核炎症細胞の細胞浸潤による遠位腺房および気管支周囲間質の病変の広がりを示す。
C:顕微鏡写真、108倍。気管支周囲間質において主にリンパ濾胞を伴わないリンパ球浸潤による病変が拡大し細胞性細気管支炎像を示す。
D、C:に示されている気道の高倍率像、400倍。類上皮細胞(マクロファージ)の緩い集簇はHPに特徴的であり、疎な非壊死性肉芽腫(矢印)を示す。
E:高倍率顕微鏡写真、264倍。同一非線維性HP患者からの生検標本。別の疎な非壊死性肉芽腫(矢印)を示す。すべてヘマトキシリンエオシン染色を使用した。
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e52, Figure 3.

a:水平断
b:冠状断
c:呼気CT(air trappingを認める)
BAL所見 回収率(%):43.3%(65/150 mL)、細胞密度 (×105 /mL):2.54
細胞分画(%):Macrophage 63、Lymphocyte 36、Neutrophil 1
CD4/CD8比:0.16
出典
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1: 著者提供

a:水平断
b:冠状断
c:呼気CT
抗原回避試験陰性ではあったが、呼吸機能改善があった(1項目のみ陽性)
BAL所見 回収率 (%):21.3、細胞密度 (×105 /mL):35
細胞分画(%):Macrophage 82、Lymphocyte 16、Neutrophil 1、Eosinophil 1
CD4/CD8比:1.98
出典
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1: 著者提供

過敏性肺炎の診断アルゴリズム

HPの診断アルゴリズム。アルゴリズムの全ステップについては、文献中に具体的な特色が記載されている。鑑別診断で十分に絞り込み検査を追加した結果として治療方針を変更する可能性が低い場合や、侵襲的検査に許容できないリスクがある場合、または患者が検査を拒否した場合は、暫定的な診断が適切と考えられる。
 
*曝露評価では徹底的な病歴聴取および/またはHPに関連する可能性がある抗原の血清IgG検査を実施する。加えて適切な専門知識と経験を有する施設では、参考文献1)~4)に記載されている特異的抗原吸入誘発試験を実施する。
**HRCT検査は文献中Table 3に記載の方法で実施し、胸部放射線専門医と結果を検討する必要がある。
***非線維性HPが疑われる患者には経気管支肺生検の実施を提案する(question4、recommendation1を参照)。
#非線維性HPが疑われる患者には、各施設の専門技能に応じてTBLCを実施することを提案する(question5、 recommendation2を参照)。
##非線維性HP患者でSLBが検討されることは少ない。
 
参考文献:
1)Vasakova M, et al. Am J Respir Crit Care Med, 2017; 196(6): 680-9. PMID: 28598197
2)Morell F, et al. Semin Respir Crit Care Med, 2016; 37(3): 395-405. PMID: 27231863
3)Ishizuka M, et al. Ann Am Thorac Soc, 2015; 12(2): 167-73. PMID: 25562381
4)Muñoz X, et al. Eur Respir J, 2014; 44(6): 1658-65. PMID: 25142480
出典
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e56, Figure 7.

治療フローチャート

急性・慢性ともに抗原回避は必ず行う。急性で中等症以上では、線維化を残さないようステロイド治療を追加する。慢性では、抗原回避で改善ないか、進行する場合は、ステロイド薬(+/-)免疫抑制薬を使用する。
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1: 著者提供

画像・曝露評価・BAL・病理組織診断に基づく過敏性肺炎の診断

確定(>90% 確信度)、高い確信度(80~89%)、中程度の確信度(70~79%)、および低い確信度(51~69%)。
 
画像所見、曝露評価、BALリンパ球増加および病理組織学的診断の総合評価に基づくHPの診断。MDDを行って信頼度を検討する。
*追加された臨床情報や病理組織診断に対するエキスパートのセカンドオピニオンを考慮した再評価においても病理医の結論が変わらない場合は、信頼度が上がって「確定」となる場合がある。
 
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1: Raghu G, Remy-Jardin M, Ryerson CJ, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med, 2020; 202(3): e55, Figure 6.

重症度

出典
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1: 厚生労働省. 難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85). [https://www.nanbyou.or.jp/entry/302](2025年2月参照)