一次予防では原則として3~6カ月間は生活習慣 の改善を行ってその効果を評価した後に、薬物療法 の適用も検討すべきである。しかしいずれの管理区 分においてもLDL-C 180 mg/dL以上が持続する場合 は、生活習慣の改善とともに薬物療法を考慮しても よい。LDL-Cの管理目標値は、観察研究および介入 研究のシステマティック・レビューによって決定さ れた。すなわち、高リスク管理区分では 120 mg/dL 未満とし、低リスク・中リスク管理区分では2017年 版ガイドラインの管理目標値を引き継ぎそれぞれ 160 mg/dL未満、140 mg/dL未満とした。また糖尿 病は高リスク管理区分であるが、細小血管症を伴う など特にリスクの高い糖尿病の場合は一次予防でも 管理目標値は100 mg/dL未満とした。なおこれらの 管理目標値は到達努力目標である。スタチンを用い た無作為化比較対照試験のメタ解析の結果、LDL-C の20%~30%低下により、約30%の冠動脈疾患発症 率の低下が認められているため、低リスク・中 リスク管理区分ではLDL-C低下率20~30%も目標値 となり得る。ただしFH(一次予防)や家族性Ⅲ型 高脂血症の場合、別に治療を考慮する。
[https://www.j-athero.org/jp/general/ge_tool2/ 動脈硬化性疾患発症予測・脂質管理目標設定アプリ]