はじめに行うことは、患者のいう疲労・倦怠感が、眠気なのか、(労作性)呼吸困難なのか、筋力低下ではないか聞いてみることである。またいつから疲労・倦怠感があるのかということも重要な情報である。
また亜急性〜急性の疲労では、緊急疾患の診断/除外が重要である。[ID0211]
緊急の対応が必要な診断:心疾患(急性心筋梗塞や心筋炎)、代謝性疾患(急性副腎不全、甲状腺機能亢進または低下症、糖尿病性緊急症など)、腎・電解質異常(高K・低K、高Ca、低Na、低Mg血症、尿毒症など)、感染症(感染性心内膜炎、劇症ウイルス性肝炎等)などが挙げられる。それぞれの診断、症状に従い治療する。
緊急疾患が除外できた後、その他身体疾患や精神疾患の評価を行うべく、随伴症状や患者背景について問診し身体診察を行う。その後、鑑別疾患に応じた検査を行う。
6カ月以上継続する慢性疲労には、精神疾患や筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群や特発性慢性疲労がある。
なお、慢性疲労の鑑別疾患の中で一番頻度が高いのは精神疾患や睡眠障害である。二項目質問表などうつ病に関する問診や、その他精神疾患についてDSM-5に基づき診断をすすめる。
- 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)臨床診断基準(案) (2016年3月改訂):[ID0601]