膠芽腫の造影MRI
左:造影MRI(診断4カ月前)
右:造影MRI(診断時)
4カ月前にてんかん発作で救急搬送され、造影MRIを施行されている。左前頭葉に小さな造影病変を認めるが診断確定には至らなかった。診断時のMRIでは腫瘍は急速に増大し、リング状の造影効果を呈している。
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膠芽腫の単純CT
単純CTでは左前頭葉に等吸収域~やや高吸収域の病変を認め、周囲に脳浮腫と考えられる広範な低吸収域を認める。
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症例:術前/術後のMRI造影T1強調画像
a:術前
b:術後
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症例:初診時/化学放射線療法後のMRI造影T1強調画像
a: 初診時
b: 化学放射線療法後
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初回治療
膠芽腫の手術治療は、腫瘍の局在、年齢、KPSに基づいて、腫瘍摘出術あるいは生検術を行うか判断する。術後は通常、放射線化学療法が選択されるが、高齢者(日本では75歳以上、海外では65歳以上)の場合は、寡分割照射を考慮する。テモゾロミドによる維持化学療法は通常行うことが望ましい。術中のカルムスチン徐放性ポリマーの留置あるいは光線力学療法の併用は考慮してもよい。TTF療法はテント上膠芽腫でKPSが良好な場合は考慮しても良い。ベバシズマブの初発時からの使用に関しては、明らかなエビデンスはないが、増悪時に積極的な治療を行う対象になりにくい高齢者、あるいは腫瘍の全摘出が行えなかった患者に関しては、より早期のベバシズマブ投与の有効性が報告されている。
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再発時の治療
再発時の膠芽腫の治療に関しては、標準治療が存在しないため、腫瘍の局在、年齢、KPS、初発から再発までの期間等に基づいて方針を決定する(推奨度2)。腫瘍摘出術に関しては安全に摘出可能かどうかも考慮すべき因子になろう。術中のカルムスチン徐放性ポリマーの留置あるいは光線力学療法の併用は考慮してもよい。ベバシズマブあるいはプラチナ製剤を含んだ化学療法や、定位放射線治療も比較的安全に施行可能であり考慮してもよいと考えられる。KPSの低い患者に関しては積極的治療の対象にはなりにくく、ステロイド等の使用を含んだ緩和療法が推奨される。
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