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表2. 除外すべき他の原因とそのための情報・検査

*1 RECAM-J 2023 は急性肝障害を対象としている。原発性胆汁性胆管炎など慢性に経過する疾患が鑑別対象となることは稀である。
*2 HBs 抗原陽性、かつ IgM-HBc 抗体陰性の場合は HBV キャリアに発症した DILI の可能性がある。
*3 HCV 抗体陽性、かつ HCV-RNA 陽性の場合には HCV キャリアに発症した DILI の可能性がある。また C 型急性肝炎ではHCV 抗体が陰性で、HCV-RNA のみ陽性となる場合がある。
HCV 抗体陽性・陰性にかかわらず HCV-RNA 陽性の場合には、R 値、慢性感染の有無、100 日以内の HCV 感染機会の有無を慎重に検討する。
*4 通常は慢性に経過する。発症前 6 週間以内の飲酒量の増加がなければ急性肝障害を呈することは少ない。
*5 急性発症する自己免疫性肝炎ではしばしば抗核抗体陰性、ないし IgG 正常であることに注意が必要である。
*6 ミノサイクリン等では抗核抗体陽性、IgG 上昇を伴う薬剤誘発性 AIH が生じうる。肝生検を施行し組織像を確認した上で免疫抑制薬による治療の適応を検討する。
*7 敗血症による肝障害は通常胆汁うっ滞性である。敗血症が消退した後まで遷延することがある。
出典
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1: 田中 篤.薬物性肝障害スコアリングシステムーRECAM-J 2023―.肝臓. 2024;65(10):482-490、表2.

特殊型の薬物性肝障害と代表的な薬物

参考文献:
  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害 令和元年9月改定(https://www.pmda.go.jp/files/000234239.pdf)
  1. 欧州肝臓学会:EASL Clinical Practice Guidelines: Drug-induced liver injury. Journal of Hepatology. 70:1222-1261,2019.
出典
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1: 著者提供

表1. 薬物性肝障害のスコアリングシステム(RECAM-J 2023)

*1 RECAM-J 2023 は薬物性肝障害(DILI)の可能性を評価するスコアリングシステムである。DILI か否かを判定する基準ではない。
*2 RECAM-J 2023 は以下の値をとる DILI を想定している。
 ALT ≥ 5xULN
 ALP ≥ 2xULN
 ALT>3xULN、かつ総ビリルビン>2xULN
これより軽度の肝障害を呈する DILI に対する RECAM-J 2023 の妥当性は今後の検討課題である。
*3 慢性肝障害が存在し、ベースライン値が異常高値の場合には、ULN をベースライン値に置き換えて評価する。
*4 アセトアミノフェンによる中毒性 DILI、またタモキシフェン等による特殊型 DILI に対して RECAM-J 2023 を用いるべきではない。また、免疫チェックポイント阻害薬、漢方薬・健康食品・自然食品・サプリメントによる DILI に対する RECAM-J 2023 の妥当性は今後の検討課題である。 
*5 小児例では ALP に代わって γ-GT を使用する。
*6 R 値=(ALT/ULN)÷(ALP/ULN)
R ≥ 5:hepatocellular
2<R<5:mixed
R ≤ 2:cholestatic
*7 PMDA の医療用医薬品情報検索:[https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/]
*8 LiverTox:[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK547852/]
*9 HBV、HCV の慢性感染例に DILI が合併することがある。また C 型急性肝炎では HCV 抗体が陰性となる場合がある(表「除外すべき他の原因とそのための情報・検査」参照)。
*10 サイトメガロウイルス、EB ウイルス、単純ヘルペスウイルスの抗体を測定していない場合、スコアを 0 点とする。
*11 被疑薬の意図的な再投与は行うべきではない。偶然の再投与が行われた場合、ベースライン値が基準値上限を超えていた場合には ULN に代わってベースライン値を用いる。
出典
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1: 田中 篤.薬物性肝障害スコアリングシステムーRECAM-J 2023―.肝臓. 2024;65(10):482-490、表1.

表2. 除外すべき他の原因とそのための情報・検査

*1 RECAM-J 2023 は急性肝障害を対象としている。原発性胆汁性胆管炎など慢性に経過する疾患が鑑別対象となることは稀である。
*2 HBs 抗原陽性、かつ IgM-HBc 抗体陰性の場合は HBV キャリアに発症した DILI の可能性がある。
*3 HCV 抗体陽性、かつ HCV-RNA 陽性の場合には HCV キャリアに発症した DILI の可能性がある。また C 型急性肝炎ではHCV 抗体が陰性で、HCV-RNA のみ陽性となる場合がある。
HCV 抗体陽性・陰性にかかわらず HCV-RNA 陽性の場合には、R 値、慢性感染の有無、100 日以内の HCV 感染機会の有無を慎重に検討する。
*4 通常は慢性に経過する。発症前 6 週間以内の飲酒量の増加がなければ急性肝障害を呈することは少ない。
*5 急性発症する自己免疫性肝炎ではしばしば抗核抗体陰性、ないし IgG 正常であることに注意が必要である。
*6 ミノサイクリン等では抗核抗体陽性、IgG 上昇を伴う薬剤誘発性 AIH が生じうる。肝生検を施行し組織像を確認した上で免疫抑制薬による治療の適応を検討する。
*7 敗血症による肝障害は通常胆汁うっ滞性である。敗血症が消退した後まで遷延することがある。
出典
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1: 田中 篤.薬物性肝障害スコアリングシステムーRECAM-J 2023―.肝臓. 2024;65(10):482-490、表2.

特殊型の薬物性肝障害と代表的な薬物

参考文献:
  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害 令和元年9月改定(https://www.pmda.go.jp/files/000234239.pdf)
  1. 欧州肝臓学会:EASL Clinical Practice Guidelines: Drug-induced liver injury. Journal of Hepatology. 70:1222-1261,2019.
出典
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1: 著者提供