腹腔鏡下胆のう摘出術に起因した合併症
腹腔鏡下胆のう摘出術の合併症は、術中および術後合併症に分類される。術中合併症として、胆管損傷、出血、腸管損傷、腹腔内落石などがあり、術後合併症には、後出血、胆汁漏、創感染などがある。1990~2005年の間に施行された腹腔鏡下胆のう摘出術25万4,205例において、術中合併症として、胆管損傷は1,107例、出血は1,524例、腸管損傷は515例、肝損傷120例などが報告されている。
出典
1:
内視鏡外科手術に関するアンケート調査-第8回集計結果報告-.日鏡外会誌2006;11:527-628.
胆石の種類
コレステロール胆石と色素胆石に大別される。コレステロール胆石には純コレステロール石、混成石、混合石があり、色素胆石には黒色石、ビリルビンカルシウム石がある。
a:コレステロール胆石(純コレステロール石の断面)
b:色素胆石(黒色石)(黒色石の断面)
出典
1:
高久 史麿, ほか監修: 新臨床内科学第8版. 医学書院, 2002.
胆石の石灰化パターン(CT)
石灰化の様相はCTによる評価が適切である。そのうえで適切な治療選択を行う。
a:非石灰化
b:外殻石灰化
c:中心石灰化
d:全体石灰化
出典
1:
高久 史麿, ほか監修: 新臨床内科学第8版. 医学書院, 2002.
胆石の超音波分類(土屋分類)
大胆石(径1cm以上)と小胆石(径1cm未満)に大別して各々分類する。
a:大胆石
b:小胆石
出典
1:
土屋孝治:胆石症 最新の治療法.p43-54,図Ⅱ-1,図Ⅱ-5,金原出版,1991.
TG18/TG13 急性胆嚢炎診断基準
出典
1:
急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018(第3版)(TG18)p.86 医学図書出版,2018
胆石症診断フローチャート
効率よく診断して過剰な画像検査を避ける。
出典
1:
日本消化器病学会(編):胆石症診療ガイドライン2021 改訂第3版、xvi、2021、南江堂 より許諾を得て転載.
胆のう結石症治療フローチャート
無症状胆石は経過観察が基本だが、画像診断にて胆のう壁の評価が困難な場合や胆石保有者が希望する場合は治療を行う。治療は腹腔鏡下胆のう摘出術が第1選択であるが、適応基準を満たす場合は、溶解療法やESWLを行う。また、急性胆のう炎を合併した場合は、病態に応じて治療方法を選択する。
出典
1:
日本消化器病学会(編):胆石症診療ガイドライン2021 改訂第3版、xx、2021、南江堂 より許諾を得て転載.