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PVの治療アルゴリズム

PVでは、血栓のリスク評価に基づいて、治療方針を決定する。60歳未満でかつ、血栓や出血の既往がなければ、低リスク群として、瀉血によるヘマトクリットのコントロールとアスピリンによる治療を行う。これに該当しない場合は、高リスク群として、ヒドロキシカルバミドの併用が推奨される。
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1: 著者提供

JAK2V617F allele burdenの概念図

PV症例の白血球には、2つのJAK2遺伝子のうち、双方とも正常であるもの、片方がJAK2V617F変異を有するものおよび両方ともJAK2V617F変異をもつものの、3種類が存在しうる。この際に、変異したJAK2V617F遺伝子座の量が全体のなかで占める割合をJAK2V617F allele burdenと称する。
図には仮想的に試験管のなかに、3個の細胞が存在することを示す。それぞれ、2つのJAK2遺伝子が双方とも正常であるもの(白)、片方がJAK2V617F変異を有するもの(緑)および両方ともJAK2V617F変異を持つもの(青)を示す。試験管の中には3個の細胞で、合計6個のJAK2遺伝子が存在する。この6個のうち、変異を有する遺伝子の占める割合をJAK2 allele burdenと称する。PV症例では、症例ごとにこれらの3種類の細胞が混在している。JAK2変異を有する細胞の比率を仮想的に推定するために、allele burdenを用いる。また、allele burdenが50%を超える場合には、2つのJAK2遺伝子に変異をもつ細胞が存在すると判断できる。

PV症例の骨髄生検像(HE染色)

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PV症例の巨核球形態

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JAK2V617Fのallele burdenと臨床所見との関連性

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1: 桐戸敬太:骨髄増殖性腫瘍における遺伝子異常と臨床像. 血液内科 2011;62 (1):76-83.

PV症例の手背

健常者(a)とPV症例(b)の手背を示す。
PV症例では明らかに赤みが強いことがわかる。
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PVに合併した門脈血栓

腹部超音波検査:肝臓内の門脈に血栓を認める。
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赤血球増加を来す疾患・病態

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1: 日本血液学会:血液専門医テキスト 改訂第4版. 南江堂, 2023; 41.

PVの鑑別アルゴリズム

HIF:hypoxia inducible factor
PHD:prolyl hydroxylase
VHL:Von Hippel-Lindau
 
多血症の鑑別にあたっては、まずJAK2V617F変異の有無の確認と血清EPO濃度測定の2つから開始する。JAK2V617Fが陽性である場合には、他の診断基準とも併せ、PVと診断する。JAK2V617F変異が陰性の場合、EPO濃度が低値の場合には、他のJAK2変異によるPVや非常にまれではあるが、EPOレセプターの遺伝子異常の可能性を考える。EPOが上昇している場合には、後天的に低酸素状況を来す疾患やEPO産生腫瘍の可能性を考える。これらの疾患が否定され、また家族性や先天的な変化である場合には、EPO産生を調節する分子の遺伝子異常の可能性を考える。なお最近では、SGLT-2阻害剤使用例における薬剤性多血症が注目されており、日常診療でも注意すべきである[33]。
 
参考文献:
日本血液学会編:血液専門医テキスト、南江堂、2011; 34.
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PVの治療アルゴリズム

PVでは、血栓のリスク評価に基づいて、治療方針を決定する。60歳未満でかつ、血栓や出血の既往がなければ、低リスク群として、瀉血によるヘマトクリットのコントロールとアスピリンによる治療を行う。これに該当しない場合は、高リスク群として、ヒドロキシカルバミドの併用が推奨される。
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JAK2V617F allele burdenの概念図

PV症例の白血球には、2つのJAK2遺伝子のうち、双方とも正常であるもの、片方がJAK2V617F変異を有するものおよび両方ともJAK2V617F変異をもつものの、3種類が存在しうる。この際に、変異したJAK2V617F遺伝子座の量が全体のなかで占める割合をJAK2V617F allele burdenと称する。
図には仮想的に試験管のなかに、3個の細胞が存在することを示す。それぞれ、2つのJAK2遺伝子が双方とも正常であるもの(白)、片方がJAK2V617F変異を有するもの(緑)および両方ともJAK2V617F変異を持つもの(青)を示す。試験管の中には3個の細胞で、合計6個のJAK2遺伝子が存在する。この6個のうち、変異を有する遺伝子の占める割合をJAK2 allele burdenと称する。PV症例では、症例ごとにこれらの3種類の細胞が混在している。JAK2変異を有する細胞の比率を仮想的に推定するために、allele burdenを用いる。また、allele burdenが50%を超える場合には、2つのJAK2遺伝子に変異をもつ細胞が存在すると判断できる。