HIF:hypoxia inducible factor
PHD:prolyl hydroxylase
VHL:Von Hippel-Lindau
多血症の鑑別にあたっては、まずJAK2V617F変異の有無の確認と血清EPO濃度測定の2つから開始する。JAK2V617Fが陽性である場合には、他の診断基準とも併せ、PVと診断する。JAK2V617F変異が陰性の場合、EPO濃度が低値の場合には、他のJAK2変異によるPVや非常にまれではあるが、EPOレセプターの遺伝子異常の可能性を考える。EPOが上昇している場合には、後天的に低酸素状況を来す疾患やEPO産生腫瘍の可能性を考える。これらの疾患が否定され、また家族性や先天的な変化である場合には、EPO産生を調節する分子の遺伝子異常の可能性を考える。なお最近では、SGLT-2阻害剤使用例における薬剤性多血症が注目されており、日常診療でも注意すべきである[33]。
参考文献:
日本血液学会編:血液専門医テキスト、南江堂、2011; 34.