ビタミンB
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が欠乏すると活性型葉酸が欠乏するため、葉酸欠乏と同様の血液学的異常を示す。
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ビタミンB
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が欠乏すると、血清または尿中メチルマロン酸が増加する。
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巨赤芽球性貧血ではビタミンB
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欠乏による神経症状を高頻度に併発する。
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巨赤芽球性貧血診断のアルゴリズム
貧血を認め、赤血球のサイズの指標である平均赤血球容積(Mean Corpuscular Volume:MCV)が100 fL (femtoliter)以上であれば、大球性貧血であり、ビタミンB
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欠乏、葉酸欠乏あるいは他の血液疾患を疑い、ビタミンB
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と葉酸の測定を行う。ビタミンB
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が低下していればビタミンB
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欠乏性巨赤芽球性貧血と、葉酸が低下していれば葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血と診断し、それぞれの治療を行う。網赤血球が正常あるいは低下、汎血球減少、間接ビリルビン上昇、LDH増加、ハプトグロビン低下、末梢血塗抹標本での好中球過分葉があれば診断がより確かなものとなる。ビタミンB
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欠乏性巨赤芽球性貧血で萎縮性胃炎があり、抗内因子抗体や抗胃壁細胞抗体が陽性となれば、悪性貧血と診断される。現在、血清ビタミンB
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や葉酸の定量は簡単に行えるため、骨髄異形成症候群との鑑別を積極的に行う必要がない限り、最初から骨髄検査を施行することはまれであるが、ビタミンB
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や葉酸の補充でも貧血が改善しないときには骨髄検査を行い、他疾患を否定する。
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巨赤芽球性貧血治療のアルゴリズム
ビタミンB
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欠乏性および葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血の治療のアルゴリズムを示す。ビタミンB
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欠乏性巨赤芽球性貧血ではビタミンB
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製剤の筋注が原則である。患者が筋注を拒否し、吸収部位である回腸末端に異常がないときは内服治療を行うが、効果が認められないときは、月余にわたる投与は避ける。血液検査結果が改善するまで投与する。原因が吸収不良であるときは、3~4カ月ごとの血液検査と維持療法が必要である。葉酸欠乏性巨赤芽球性貧血では、内服治療が原則であるが、吸収部位である空腸に異常があるときは筋注となる。血液検査結果が改善するまで投与する。原因が吸収不良であるときは、3~4カ月ごとの血液検査と維持療法が必要である。
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