炭酸脱水酵素阻害薬:近位尿細管の炭酸脱水酵素はNa+-H+交換に必要なH+を生成している。したがってこの酵素の働きを抑えることでNa+再吸収が抑制され水とNa+の排泄が促進される。尿はHCO3-を多く含むのでアルカリ性になる。
ループ利尿薬:ヘンレループ上行脚では水とNa+の再吸収が行われている。ここでは1分子のNa+とK+、2分子のCl-を細胞質内へ輸送するが、K+はK+チャネルを介して尿細管腔へ排泄されるのでNa+再吸収が再度行われている。ループ系利尿薬はこれらの動きを抑制するので強い利尿作用が示される。
サイアザイド系利尿薬:遠位尿細管ではNa+とCl-が再吸収されているが、これを阻害することで尿量を増加させる。
K保持性利尿薬(抗アルドステロン薬):副腎皮質鉱質コルチコイドのアルドステロンは主に遠位尿細管でNa+とCl-の再吸収を促進している。またNa+-K+交換ポンプの機能を促進してK+の排泄を増加させる。アルドステロンの作用を阻害することでこれらの機構が抑制されるのでNa+、Cl-、水の排泄が増加し、K+の排泄は減少する。
浸透圧性利尿薬:尿細管尿の浸透圧を上昇させ尿細管における水の再吸収を抑制して尿量を増加させる。
バソプレシンV2受容体拮抗薬:バソプレシンは主に髄質集合管でV2受容体と結合してcAMPを上昇させて水分の再吸収を促進している。この受容体の働きを抑えることで腎盂へ送り込まれる水分は増加する。