尿道炎の原因菌別尿道分泌物
a:淋菌性尿道炎(多量の膿性分泌物)
b:クラミジア性尿道炎(少量の漿液性~粘液性分泌物)
出典
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宮本町中央診療所 尾上 泰彦先生より提供
男性の性感染症の年次推移
淋菌性およびクラミジア性尿道炎は2002年をピークに減少傾向を示していたが、2009年以降はほぼ横ばい状態である。
出典
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厚生労働省・国立感染症研究所 感染症発生動向調査、性感染症報告数より[http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html]
淋菌性尿道炎とクラミジア性尿道炎の比較
淋菌性尿道炎はクラミジア性尿道炎に比べ、潜伏期間が短く、急激に発症し、症状が強い。
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尿道炎の原因菌別尿道分泌物
a:淋菌性尿道炎(多量の膿性分泌物)
b:クラミジア性尿道炎(少量の漿液性~粘液性分泌物)
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宮本町中央診療所 尾上 泰彦先生の提供
淋菌のグラム染色鏡検所見
淋菌は白血球に貪食されたグラム陰性双球菌として観察される。
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尿道炎診断のアルゴリズム
尿道炎の診断においては、グラム染色鏡検法をスクリーニング検査とする。淋菌の確定検査は培養法または核酸増幅同定法で行う。クラミジアの確定検査は核酸増幅同定法で行う。
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尿道炎の治療のアルゴリズム
初診時、スクリーニング検査としてのグラム染色鏡検法でグラム陰性双球菌(淋菌)が陽性の場合、淋菌性尿道炎と診断し、初期治療を行う。1週後、治療効果と検査結果を確認し、クラミジアの混合感染を認めた場合には、クラミジアに対し経口抗菌薬による治療を追加する。一方、グラム陰性双球菌(淋菌)が陰性の場合、最も頻度が高いクラミジア性尿道炎を想定し、初期治療を行う。2週後、治療効果と検査結果を確認する。
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淋菌性尿道炎
淋菌性尿道炎では多量の膿性分泌物を認める。
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宮本町中央診療所 尾上 泰彦先生より提供
クラミジア性尿道炎
クラミジア性尿道炎では少量の漿液性~粘液性分泌物を認める。
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宮本町中央診療所 尾上 泰彦先生より提供
尿道炎の原因菌別感染源
淋菌性尿道炎の感染源は風俗店に勤務している女性が一般女性より多い。一方、クラミジア性尿道炎の感染源は恋人などの一般女性が風俗店に勤務している女性より多い。無症状のクラミジア感染が一般女性にも蔓延していることによる。
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尿道炎の原因菌別感染経路
淋菌性尿道炎の感染経路は口腔性交のほうが腟性交より多い。これは淋菌が風俗店に勤務している女性の咽頭に無症候性に感染していることが少なくないことによる。一方、クラミジア性尿道炎の感染経路においては腟性交のほうが口腔性交より多い。
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淋菌、クラミジア検出用の核酸増幅同定法
出典
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清田浩ほか:性感染症診断・治療ガイドライン2016、性器クラミジア感染症.日性感染症会誌27(1) suppl:62-66, 2016
淋菌の各種抗菌薬感受性成績(2015年1月~2016年12月,福岡市分離132株)
近年、わが国で分離される淋菌は各種抗菌薬に対する耐性化が顕著である。特にキノロン耐性淋菌の分離頻度が著しく高く、また、ペニシリン耐性淋菌、テトラサイクリン耐性淋菌の分離頻度も高い。さらにセフィキシムやアジスロマイシンにも耐性化が進行している。淋菌の薬剤耐性化により薬剤の選択肢が非常に少なくなっている。
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淋菌感染症の病態
男性は主に尿道炎を発症するが、淋菌が上行性に侵入し、精巣上体炎などを起こすことがある。女性は主に子宮頸管炎を発症するが、淋菌が上行性に侵入し、子宮内膜炎、骨盤内炎症性疾患(卵管炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎など)、肝周囲炎を起こすことがある。さらに男女とも咽頭感染、結膜炎、肛門直腸炎を起こすこともある。まれに敗血症を伴う全身性感染症である播種性淋菌感染症を起こす。妊婦の産道に淋菌が感染していると、分娩時に産道感染が生じ、新生児に結膜炎が発症することがある。
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