BI-RADS マンモグラフィ分類
乳癌診療ガイドラインにBI-RADSカテゴリーと推奨マネジメントとの対応表がある。組織診断の際は超音波検査で病変が描出されるものは、超音波ガイド下に組織診断目的に針生検が行われることが多い。
出典
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日本乳癌学会 編: [https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/kenshingazo/1a4/ 乳癌診療ガイドライン]、2018、総説4、表1. (2021年10月26日アクセス)
典型的な線維腺腫の画像、病理所見(管内型)
乳管の周囲の間質が増生し、圧排された乳管がスリット状になっている。
出典
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著者提供(北里大学研究所病院 病理診断科 前田一郎先生のご厚意による)
典型的な線維腺腫の病理像(乳腺症型)
線維腺腫のなかで乳腺症型線維腺腫は、非浸潤癌と鑑別が難しいことがある。
写真は乳腺症型線維腺腫である。
a:一部の腺管は拡張し、乳管内に乳管上皮の増生を認める。
b:一部の乳管に過形成を認め、この部分だけが細胞診や針生検で採取されてきた場合、癌と診断される可能性がある。
出典
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著者提供(北里大学研究所病院 病理診断科 前田一郎先生のご厚意による)
典型的な線維腺腫の病理像(類臓器型)
小葉構造が目立つ。
出典
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著者提供(北里大学研究所病院 病理診断科 前田一郎先生のご厚意による)
典型的な葉状腫瘍の病理所見(良性)
間質が浮腫状に増生しているものの、その細胞密度は低い。葉状構造を認める。
出典
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著者提供(北里大学研究所病院 病理診断科 前田一郎先生のご厚意による)
典型的な葉状腫瘍の病理所見(悪性)
弱拡大:(a)1/3には葉状構造を認め、細胞密度も低い部分を認める。(b)2/3では間質に細胞密度の高い部分を認める。強拡大:拡大すると核が腫大した異型間質細胞を認め、分裂像を認める。
本症例は術後2年で局所再発を来した。
出典
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著者提供(北里大学研究所病院 病理診断科 前田一郎先生のご厚意による)
線維腺腫
右乳房の外側縁に境界明瞭平滑な腫瘤を認める。D/Wは小さく、後方エコーは増強している。
出典
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線維腺腫
右乳房内側縁に境界明瞭で分葉状の低エコー腫瘤を認める。後方エコーは増強している。
出典
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判定フローチャート
出典
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日本乳腺甲状腺超音波医学会 編:乳房超音波診断ガイドライン 改訂第4版、南江堂、2020、p86、図V-34.
線維腺腫の超音波所見
乳腺の深部に境界明瞭平滑な低エコー腫瘤を認める。D/W小さく、後方エコーは僅かに増強してみえる。
出典
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線維腺腫(鑑別困難)の超音波所見
乳頭近傍の乳腺浅部に境界がやや不整にみえる低エコー腫瘤を認める。前方境界線は保たれている。
出典
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葉状腫瘍
a:マンモグラフィ。両側乳腺は不均一高濃度である。左乳房MLO撮影でMU領域に境界明瞭な腫瘤像を認める。
b:超音波所見。乳腺深部に境界明瞭で僅かに分葉する低エコー腫瘤を認める。D/Wは小さく、後方エコーは増強している。
出典
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所見の整合性
理学所見、画像所見、病理所見の全てにおいて整合性がとれない病変は、検査をやり直すか切開生検まで考慮するのが肝要である。
出典
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乳腺腫瘤の診断アルゴリズム
3cm以下で特に40歳未満では良性の可能性を考え、良性であることを確認する。40歳以降では悪性の否定のため細胞診を施行する。画像所見上より積極的に悪性を考える場合は針生検を勧める。細胞診で鑑別困難な場合も針生検を行う。
また、3cmを超える腫瘤は摘出が必要な腫瘤や癌を考え、針生検(または吸引式針生検)を選択する。線維腺腫や良性葉状腫瘍の診断でも急速増大するものは躊躇なく、摘出を考え乳腺外科を紹介する。
出典
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マンモグラフィーガイドライン 腫瘤について
マンモグラフィでの腫瘤像の特徴からカテゴリー分類している。
[ID0705]:図8-1 腫瘤の診断フローチャート
出典
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(社)日本医学放射線学会/(社)日本放射線技術学会編:マンモグラフィーガイドライン 第4版、医学書院、2021、p 76 、図8-1 腫瘤の診断フローチャート.
マンモグラフィーガイドライン 境界明瞭な腫瘤
マンモグラフィで腫瘤像を呈する病変の鑑別疾患を挙げている。円形・楕円形もしくは軽度分葉状で境界明瞭な腫瘍。
出典
1:
(社)日本医学放射線学会/(社)日本放射線技術学会編:マンモグラフィガイドライン 第4版、医学書院、2021、p 77、表8-3.
乳腺超音波ガイドライン 腫瘤について
超音波所見で腫瘤像の特徴からカテゴリー分類している。
出典
1:
日本乳腺甲状腺超音波診断会議編:乳房超音波診断ガイドライン 改訂第2版、南江堂、2008、p69.
腫瘍と局所的非対称陰影の評価
腫瘤の大きさにもよるが、線維腺腫は境界明確な腫瘤あるいはカテゴリー3のFADとして認識される。ただし、マンモグラフィでは指摘できないこともある。
出典
1:
(社)日本医学放射線学会/(社)日本放射線技術学会編:マンモグラフィーガイドライン 第4版、医学書院、2021、p 76、表8-1.
線維腺腫、良性、境界、悪性葉状腫瘍の組織学的特徴
腫瘍は部位によって組織像が異なるため、葉状腫瘍の組織像を診断するには1cmブロックを作成して行うことが推奨されている。
出典
1:
乳腺腫瘍のWHO分類 第4版、p145、表11-01より