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発生後ケアのアルゴリズム

対象者のマットレスまたはクッション選択、体位変換、ポジショニング、スキンケア、患者教育、運動療法・物理療法を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

褥瘡の直接原因とそれを取り巻く二次原因

創傷治癒は最終的には肉芽形成と上皮化により完了するが、肉芽形成が起こるためにはそれを阻害する直接原因の皮膚局所の圧迫のみならず、それ以外の多彩な二次的要因、例えば、加齢による皮膚の変化、摩擦やずれ、失禁や湿潤などの局所的要因、低栄養、やせ、加齢や基礎疾患などの全身的要因、さらには、介護のマンパワー不足や経済力不足などの社会的要因も除去する必要がある。
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1: 厚生省老人保健福祉局老人保健課 監修,宮地良樹 編:褥瘡の予防・治療ガイドライン, 照林社, 1998.(改変あり)

臥床時の身体各部の重量比

体圧は骨突起部に集中するが、寝たきり状態による筋肉の廃用性萎縮とやせにより、褥瘡患者では一層骨突出が目立っている。また、固いベッドに臥床するときあるいは床面に骨突起部が接するところや皮下組織が薄いところほど血行障害は生じやすく、仰臥位では体重の半分近くが仙骨部に、その他にも後頭部、肩甲部、胸・腰椎部、踵骨部などに加わる。
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1: 厚生省老人保健福祉局老人保健課 監修,宮地良樹 編:褥瘡の予防・治療ガイドライン, 照林社, 1998.(改変あり)

DESIGN-R®2020(DESIGN®の2020年改訂版)の深さ項目とNPUIPステージ分類(2016年改訂版)の比較

DESIGN-R®2020の深さ分類とNPUIPのステージ分類は基本的に同じである。なお、DTIを疑った場合には、DESIGN-R®2020の深さ分類ではDDTIに分類する。2013年、S(大きさ)に「持続する発赤の場合も皮膚損傷に準じて評価する」の注釈を加えた。
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1: 日本褥瘡学会編:改定 DESIGN-R®2020 コンセンサス・ドキュメント.照林社、2020.p13 図2

消毒薬の化学熱傷

消毒薬の化学熱傷は、術直後よりみられる境界明瞭な不整形の紅斑である。また、褥瘡は術直後あるいは遅発性に生じる境界不明瞭な紅斑より始まる。
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1: 立花隆夫先生ご提供

DTIと感染褥瘡

DTI:皮下に浸潤を触れるd1(DESIGN-R®2020の深さ分類、あるいはとNPUIPのステージ I)の褥瘡であり、原則的には表皮剝離のないものをいう。
感染褥瘡:培養結果で創組織1g当たり105以上の菌量は、感染を示唆する一応の目安である。また、発熱や白血球増多、CRP上昇などの全身症状や滲出液増加などの局所症状がなくても、炎症の4主徴(発赤、熱感、腫脹、疼痛)などから臨界的定着(critical colonization)と診断すれば抗菌薬を開始する。
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1: 立花隆夫先生ご提供

TIMEコンセプトによる創面環境調整

DTI:皮下に浸潤を触れるd1(DESIGN-R®2020の深さ分類、あるいはとNPUIPのステージ I)の褥瘡であり、原則的には表皮剝離のないものをいう。
感染褥瘡:培養結果で創組織1g当たり105以上の菌量は、感染を示唆する一応の目安である。また、発熱や白血球増多、CRP上昇などの全身症状や滲出液増加などの局所症状がなくても、炎症の4主徴(発赤、熱感、腫脹、疼痛)などから臨界的定着(critical colonization)と診断すれば抗菌薬を開始する。
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1: Wound bed preparation: a systematic approach to wound management.
著者: Gregory S Schultz, R Gary Sibbald, Vincent Falanga, Elizabeth A Ayello, Caroline Dowsett, Keith Harding, Marco Romanelli, Michael C Stacey, Luc Teot, Wolfgang Vanscheidt
雑誌名: Wound Repair Regen. 2003 Mar;11 Suppl 1:S1-28.
Abstract/Text: The healing process in acute wounds has been extensively studied and the knowledge derived from these studies has often been extrapolated to the care of chronic wounds, on the assumption that nonhealing chronic wounds were simply aberrations of the normal tissue repair process. However, this approach is less than satisfactory, as the chronic wound healing process differs in many important respects from that seen in acute wounds. In chronic wounds, the orderly sequence of events seen in acute wounds becomes disrupted or "stuck" at one or more of the different stages of wound healing. For the normal repair process to resume, the barrier to healing must be identified and removed through application of the correct techniques. It is important, therefore, to understand the molecular events that are involved in the wound healing process in order to select the most appropriate intervention. Wound bed preparation is the management of a wound in order to accelerate endogenous healing or to facilitate the effectiveness of other therapeutic measures. Experts in wound management consider that wound bed preparation is an important concept with significant potential as an educational tool in wound management. This article was developed after a meeting of wound healing experts in June 2002 and is intended to provide an overview of the current status, role, and key elements of wound bed preparation. Readers will be able to examine the following issues; the current status of wound bed preparation; an analysis of the acute and chronic wound environments; how wound healing can take place in these environments; the role of wound bed preparation in the clinic; the clinical and cellular components of the wound bed preparation concept; a detailed analysis of the components of wound bed preparation.
Wound Repair Regen. 2003 Mar;11 Suppl 1:S1-28.

陰圧閉鎖療法

創部を閉鎖環境に保ち、原則的に125~150mmHg の陰圧になるように吸引する。 細菌や細菌から放出される外毒素を直接排出する作用と、肉芽組織の血管新生作用や浮腫を除去する作用がある。
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1: 立花隆夫先生ご提供

bacterial balanceの概念

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1: 幸野 健、谷口彰治:エビデンスに基づく創傷消毒の是非. 臨床皮膚科, 医学書院, 59 (5増):117-122, 2005.(改変あり)

医療用弾力ストッキングによる圧迫創傷

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1: 立花隆夫:Medical device-related pressure ulcers, 臨床皮膚科, 医学書院, 68(5増):32-36, 2014.

NPPVフェースマスクによる圧迫創傷

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1: 立花隆夫:Medical device-related pressure ulcers, 臨床皮膚科, 医学書院, 68(5増):32-36, 2014.

酸素チューブによる圧迫創傷

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1: 立花隆夫:Medical device-related pressure ulcers, 臨床皮膚科, 医学書院, 68(5増):32-36, 2014.

A-lineの三方活栓による圧迫創傷

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1: 立花隆夫:Medical device-related pressure ulcers, 臨床皮膚科, 医学書院, 68(5増):32-36, 2014.

褥瘡予防・管理のアルゴリズム

「褥瘡予防・管理ガイドライン」(日本褥瘡学会、2022年、第5版)では、どのようなプロセスで対象者の褥瘡予防・管理計画を立案するかを示した褥瘡予防・管理のアルゴリズムのほかにも、褥瘡がない場合に2つ(発生予防全身管理のアルゴリズム、予防ケアのアルゴリズム)、ある場合に4つ(発生後全身管理のアルゴリズム、保存的治療のアルゴリズム、外科的治療のアルゴリズム、発生後ケアのアルゴリズム)、トータルで7つのアルゴリズムを示している。
  1. 発生予防全身管理のアルゴリズム:[ID0705]
  1. 予防ケアのアルゴリズム:[ID0706]
  1. 発生後全身管理のアルゴリズム:[ID0707]
  1. 保存的治療のアルゴリズム:[ID0708]
  1. 外科的治療のアルゴリズム:[ID0709]
  1. 発生後ケアのアルゴリズム:[ID0710]
また、全身管理、リハビリテーション、発生予測、皮膚観察、スキンケア、体位変換、体圧分散マットレス、および、患者教育と予防に関しては8項目、発生後のケアに関しては発生予測を除く7項目にアウトカムマネジメント、QOLを追加した9項目の構成としている。また、深い慢性期褥瘡では、壊死組織を除去したうえで、肉芽形成を促進し、さらに創の縮小、閉鎖を目指す。その各々の段階で、感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それを抑制、解消あるいはなくすような治療を選択する。
 
それに対し、「褥瘡診療ガイドライン」(日本皮膚科学会、2017年、第2版)の予防・ケアアルゴリズムでは、褥瘡に対する予防・ケアの基本方針として、創に不要な圧迫、ずれなどの外力を加えないこと、すなわち、創面保護の維持を治療の基本方針としている
  1. 褥瘡の診療アルゴリズム:[ID0702]
出典
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

褥瘡の診療アルゴリズム

「褥瘡予防・管理ガイドライン」(日本褥瘡学会、2015年、第4版)では、どのようなプロセスで対象者の褥瘡予防・管理計画を立案するかを示した褥瘡予防・管理のアルゴリズムのほかにも、褥瘡がない場合に2つ(発生予防全身管理のアルゴリズム、予防ケアのアルゴリズム)、ある場合に4つ(発生後全身管理のアルゴリズム、保存的治療のアルゴリズム、外科的治療のアルゴリズム、発生後ケアのアルゴリズム)、トータルで7つのアルゴリズムを示している。
  1. 褥瘡予防・管理のアルゴリズム:[ID0701]
  1. 発生予防全身管理のアルゴリズム:[ID0705]
  1. 予防ケアのアルゴリズム:[ID0706]
  1. 発生後全身管理のアルゴリズム:[ID0707]
  1. 保存的治療のアルゴリズム:[ID0708]
  1. 外科的治療のアルゴリズム:[ID0709]
  1. 発生後ケアのアルゴリズム:[ID0710]
また、全身管理、リハビリテーション、発生予測、皮膚観察、スキンケア、体位変換、体圧分散マットレス、および、患者教育と予防に関しては8項目、発生後のケアに関しては発生予測を除く7項目にアウトカムマネジメント、QOLを追加した9項目の構成としている。また、深い慢性期褥瘡では、壊死組織を除去したうえで、肉芽形成を促進し、さらに創の縮小、閉鎖を目指す。その各々の段階で、感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それを抑制、解消あるいはなくすような治療を選択する。
 
それに対し、「褥瘡診療ガイドライン」(日本皮膚科学会、2017年)の予防・ケアアルゴリズムでは、褥瘡に対する予防・ケアの基本方針として、創に不要な圧迫、ずれなどの外力を加えないこと、すなわち、創面保護の維持を治療の基本方針としている。
出典
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1: 日本皮膚科学会編:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―2:褥瘡診療ガイドライン(第2版). 日皮会誌 127(9): 1933-1988. P1938. 図1,a. 2017.

深い慢性期褥瘡に対する治療アルゴリズム

「褥瘡予防・管理ガイドライン」(日本褥瘡学会、2015年、第4版)では、発症後1〜3週を急性期褥瘡とそれ以降の慢性期褥瘡、さらに慢性期褥瘡を浅い褥瘡と深い褥瘡に分けている。また、深い慢性期褥瘡では、壊死組織を除去したうえで(N→n)、肉芽形成を促進し(G→g)、さらに創の縮小、閉鎖を目指す(S→s)。その各々の段階で、感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それを抑制、解消あるいはなくすような治療方針としている。
 
それに対し、「褥瘡診療ガイドライン」(日本皮膚科学会、2017年、第2版)の治療アルゴリズムにおいては、深い褥瘡の治療前半(黒色期、黄色期)ではTIMEコンセプトによるwound bed preparation(創面環境調整)を、浅い褥瘡と深い褥瘡の治療後半(赤色期、白色期)ではmoist wound healing(湿潤環境下療法)をその治療方針としている。[ID0704] [ID0606]
出典
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1: 日本褥瘡学会編:褥瘡予防・管理ガイドライン(第2版)、照林社、2009

深い慢性期褥瘡の診療アルゴリズム

「褥瘡予防・管理ガイドライン」(日本褥瘡学会、2015年、第4版)では、発症後1〜3週を急性期褥瘡とそれ以降の慢性期褥瘡、さらに慢性期褥瘡を浅い褥瘡と深い褥瘡に分けている。また、深い慢性期褥瘡では、壊死組織を除去した上で(N→n)、肉芽形成を促進し(G→g)、さらに創の縮小、閉鎖を目指す(S→s)。その各々の段階で、感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それを抑制、解消あるいはなくすような治療方針としている。[ID0703]
 
それに対し、「褥瘡診療ガイドライン」(日本皮膚科学会、2017年、第2版)の治療アルゴリズムにおいては、深い褥瘡の治療前半(黒色期、黄色期)ではTIMEコンセプトによるwound bed preparation(創面環境調整)を、浅い褥瘡と深い褥瘡の治療後半(赤色期、白色期)ではmoist wound healing(湿潤環境下療法)をその治療方針としている。[ID0606]
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1: 日本皮膚科学会編:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―2:褥瘡診療ガイドライン(第2版). 日皮会誌 127(9): 1933-1988. P1938. 図1,b. 2017.

発生予防全身管理のアルゴリズム

対象者の栄養状態、基礎疾患をアセスメントし、栄養療法、基礎疾患の管理を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

予防ケアのアルゴリズム

対象者の自力体位変換能力、皮膚の脆弱性、筋萎縮、関節拘縮をアセスメントし、座位でのクッション選択、シーティング、臥位でのマットレス選択、体位変換、ポジションニング、患者教育、スキンケア、物理療法、運動療法を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

発生後全身管理のアルゴリズム

対象者の栄養状態、基礎疾患、全身療法が必要な感染褥瘡をアセスメントし、栄養療法、基礎疾患の管理、抗菌薬の全身投与を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

保存的治療のアルゴリズム

褥瘡の病期とDESIGN-R®2020による褥瘡状態をアセスメントし、保存的治療(外用薬、ドレッシング材、物理療法)を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

外科的治療のアルゴリズム

褥瘡の感染、壊死組織、ポケットと外科的適応をアセスメントし、外科的デブリードマンを選択・実施する。その後、再建術の適応をアセスメントし、再建術または保存的治療を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

発生後ケアのアルゴリズム

対象者のマットレスまたはクッション選択、体位変換、ポジショニング、スキンケア、患者教育、運動療法・物理療法を選択・実施する。
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1: 日本褥瘡学会 教育委員会 ガイドライン改訂委員会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)、日本褥瘡学会誌 24(1); 29-85, 2022.

褥瘡の直接原因とそれを取り巻く二次原因

創傷治癒は最終的には肉芽形成と上皮化により完了するが、肉芽形成が起こるためにはそれを阻害する直接原因の皮膚局所の圧迫のみならず、それ以外の多彩な二次的要因、例えば、加齢による皮膚の変化、摩擦やずれ、失禁や湿潤などの局所的要因、低栄養、やせ、加齢や基礎疾患などの全身的要因、さらには、介護のマンパワー不足や経済力不足などの社会的要因も除去する必要がある。
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1: 厚生省老人保健福祉局老人保健課 監修,宮地良樹 編:褥瘡の予防・治療ガイドライン, 照林社, 1998.(改変あり)