組織及び神経障害によって生じた痛み体験が破局的に認知されると、痛みに対する恐怖や不安に発展する。これらは、痛みに対する過敏性を引き起こし、回避行動につながる。身体を使わなくなることで、廃用症候群に陥ったり、抑うつ症状を伴ったりする。こうして、痛みの悪循環と遷延化が起こってくる。さらに、組織及び神経障害がなくてもこの痛みの恐怖回避モデルは成立すると考えられている。同じような組織及び神経障害を生じても、破局化や痛みに対する不安・恐怖が少なく早々に日常生活を行える人は、楽観的に痛みと向き合え、回復が早い。
参考文献:
岩城理恵、細井昌子:慢性疼痛に対する心理的アプローチと薬物療法.医学と薬学71(9): 1497-1506,2014