ぶどう膜炎の解剖学分類
炎症の主座はどこにあるかによって分類される。
出典
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International Uveitis Study Group recommendations for the evaluation of intraocular inflammatory disease.
Am J Ophthalmol. 1987 Feb 15;103(2):234-5.
ぶどう膜炎の分類
ぶどう膜炎は、その性状から肉芽腫性と非肉芽腫性に分けられる。臨床的特徴から便宜的に分類されたもので、病理所見に必ずしも呼応しない。例えば、ヘルペス性ぶどう膜炎は角膜後面沈着物の性状から肉芽腫性ぶどう膜炎に分類されるが、病理学的に肉芽腫を形成することはない。
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ぶどう膜炎の種類
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患者背景と関連するぶどう膜炎(その1)
基本的な問診と患者背景から、候補となるぶどう膜炎のおおよその見当をつける。
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患者背景と関連するぶどう膜炎(その2)
基本的な眼科検査で推定された疾患の背景となるような事柄の有無を質問する。
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チェックすべき眼所見
この所見をみたらこの疾患を思い浮かべる。
[ID0607]
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角膜後面沈着物
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角膜後面沈着物
形、色、大きさ(type)、数さらに沈着部位(分布[position])を注意深く観察すれば、ぶどう膜炎の種類や活動性をある程度推測できる。
参考文献:
坂井潤一:角膜後面沈着物. 眼科診療プラクティス68. 所見から診るぶどう膜炎. 臼井正彦編. 文光堂. 2001;12-14
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ステロイド薬の主な副作用と対策
ステロイド薬の使用に当たって、その多彩な副作用に留意しなければいけない。
参考文献:
丸山耕一:適正な副腎皮質ステロイド全身投与法. 眼科診療クオリファイ 13 ぶどう膜炎を斬る!園田康平編. 中山書店, 2012;108-114
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ヘルペス性虹彩毛様体炎
豚脂様角膜後面沈着物を伴う片眼性の急性虹彩毛様体炎。
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ヘルペス性虹彩毛様体炎
急性虹彩毛様体炎の経過中に虹彩萎縮を合併する(特にVZV)。
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ヘルペス性虹彩毛様体炎
HSVによる角膜ぶどう膜炎。限局性の角膜実質浮腫と、その裏面に付着した豚脂様角膜後面沈着物を特徴とした虹彩毛様体炎を認める。
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CMV虹彩炎
CMVの角膜後面沈着物は小型で、coin lesionと呼ばれる特異的な沈着物を認めることがある。
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急性網膜壊死(ARN)
豚脂様角膜後面沈着物を伴う急性虹彩毛様体炎。
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急性網膜壊死(ARN)
眼底周辺部の全周に及んだ網膜壊死病巣。網膜動脈周囲炎や網膜血管から染み出るような出血が白色病変に混在してみられる。
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急性網膜壊死(ARN)
壊死網膜に生じた多発裂孔。
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進行性網膜外層壊死
後極部を含む広範囲な網膜壊死病巣。病変の主座は網膜外層にあり、病初期には網膜血管炎や網膜出血を伴わない。
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サイトメガロウイルス網膜炎
後極部血管炎型。黄白色滲出斑が後極部の大血管に沿って認められ、網膜出血を伴っている。
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サイトメガロウイルス網膜炎
周辺部顆粒型。顆粒状の小滲出斑が集積した病巣を眼底周辺部に認める。病巣は血管の走行に沿ってはいないが、軽度の網膜血管炎を伴っている。
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先天性風疹症候群
salt and pepper様の所見を呈した網膜色素上皮障害。
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HIV網膜症
HIV感染者に生じた網膜微小血管症。綿花状白斑がみられる。一過性の所見で、数週間で自然消退する。
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結核性ぶどう膜炎
網膜静脈周囲炎や閉塞性血管炎の像を呈し、網膜出血や血管の白鞘化がみられる。蛍光眼底造影で虚血網膜に新生血管が形成されているのがわかる。
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梅毒性ぶどう膜炎
後天梅毒(第2期梅毒)でみられた急性虹彩毛様体炎。線維素の析出や前房蓄膿を伴う。
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後天梅毒(第2期梅毒)でみられた網膜炎
後天梅毒(第2期梅毒)でみられた網膜炎。後極部網膜の浮腫性混濁と網膜動脈炎を認める。
a:治療前
b:治療後(駆梅療法)
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ぶどう膜炎の病因(頻度順)
ぶどう膜炎の病因別疾患頻度は、大学病院のぶどう膜炎専門外来と一般診療所とで異なる。
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immunocompromised hostの原因
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日和見病原体とぶどう膜網膜疾患
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中間部ぶどう膜炎の特徴
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結核性ぶどう膜炎
脈絡膜結核腫
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真菌性眼内炎
眼底後極部に小白色滲出塊が散在し、硝子体混濁を伴っている。
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真菌性眼内炎
綿球状硝子体混濁がみられる。
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クリプトコッカス症
多巣性の脈絡膜網膜炎。視神経乳頭周囲の網膜下に白色の病巣が散在性に認められる。
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トキソプラズマ性網脈絡膜炎(先天感染陳旧病巣)
黄斑部に境界鮮明な壊死性瘢痕病巣を認める。
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トキソプラズマ性網脈絡膜炎(先天感染再発病巣)
陳旧性病巣に隣接して境界不鮮明な網膜滲出病変を認め、その周囲の網膜は浮腫性に混濁し、血管炎を伴っている。硝子体にも炎症が波及する。
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トキソプラズマ性網脈絡膜炎(後天感染)
境界不鮮明な網膜滲出病巣を認め、その周囲の網膜は浮腫性に混濁し、網膜血管炎と硝子体混濁を伴っている。
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トキソプラズマ性網脈絡膜炎(後天感染)
図[ID4668]の症例の蛍光眼底所見。後天性トキソプラズマ症の活動期の所見で、造影初期では病巣中央の低蛍光と周辺部の輪状過蛍光を認め、造影後期になると病巣中央の低蛍光は過蛍光に変わり、病巣周囲に蛍光が拡大する。
a:初期
b:後期
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ニューモシスチス脈絡膜症
AIDS患者の日和見感染症として発症。黄白色の小滲出斑が後極部の網膜下に散在している。
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眼トキソカラ症(周辺部腫瘤型)
網膜周辺部に白色の孤立性滲出塊を認める。その周囲の網膜には血管炎と浮腫がみられ、硝子体炎も伴っている(a)。同症例でみられた視神経乳頭から周辺部の病巣に向かう硝子体索(b)。
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眼トキソカラ症(後極部肉芽腫型)
眼底後極部の網膜下に存在すると思われる孤立性の白色混濁。
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HLA-B27陽性急性前部ぶどう膜炎
急性発症の線維素性虹彩毛様体炎を呈し、粘稠度に富む前房蓄膿を伴っている。
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Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎
小白色の角膜後面沈着物が角膜後面全体に散在している。棘状・星型の沈着物も混在している。
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Fucsh虹彩異色性虹彩毛様体炎
びまん性の虹彩萎縮により虹彩紋理が不明瞭となっている。
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Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎
びまん性の硝子体混濁を認める。
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Posner-Schlossman症候群
小~中位のサイズの白色角膜後面沈着物を角膜中央に認める。
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APMPPE
1/2~1/4乳頭径の黄白色斑が眼底後極部に散在性に認められる。
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APMPPE
図[ID5669]の症例の蛍光眼底所見。黄白色病巣は造影初期には低蛍光(a)、造影後期には過蛍光(b)を呈する。
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地図状脈絡膜症
視神経乳頭周囲もしくは黄斑部近傍から始まった病巣は虫食い状に拡大し、地図状の萎縮病巣となる。
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中間部ぶどう膜炎
毛様体扁平部にみられる濃厚な滲出塊(snowbank)
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ぶどう膜炎診療の流れ(確定診断への道筋)
[ID0702]:臨床像の特徴(チェック項目)
問診(1) 問診(2) [ID0002]
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臨床像の特徴(チェック項目)
[ID0606]:チェックすべき眼所見
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SUN Working Group による前房細胞の評価案
*1視野=細隙灯顕微鏡を用いスリット光 1 mm×1 mm の大きさの視野
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日本眼炎症学会、日本眼炎症学会ぶどう膜炎診療ガイドライン作成委員会:ぶどう膜炎診療ガイドライン、2019;641.
SUN Working Group による前房フレアの評価案
出典
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日本眼炎症学会、日本眼炎症学会ぶどう膜炎診療ガイドライン作成委員会:ぶどう膜炎診療ガイドライン、2019;641.
SUN Working Group による硝子体混濁の評価案
出典
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日本眼炎症学会、日本眼炎症学会ぶどう膜炎診療ガイドライン作成委員会:ぶどう膜炎診療ガイドライン、2019;641.