サルコイドーシスは原因不明の全身性(多臓器性)肉芽腫性疾患で、その病理像は類上皮細胞肉芽腫を特徴とする。診断に際しての基本は、1.非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を確認すること、2.各臓器に特徴的な臨床所見を認めること、3.サルコイドーシスに頻度の高い全身検査所見を認めることの3条件を中心に検討することが重要である。しかし3条件はともにサルコイドーシスに特異的な所見ではないので、診断に際しては除外診断が重要な検討項目となる。また一部の症例では、下記の基準を満たさない症例(一臓器のみにサルコイドーシスを強く疑う臨床所見が認められる症例など)があるが、そのような場合は疑診として長期の経過観察を行うことが重要である。また、治療との兼ね合いで、疑診でも生命の危険が想定される場合は治療的診断として、診断に先行して治療を行う場合があることも付記する。
日眼会誌111巻2号 118-121より引用