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眼窩炎症性疾患(眼窩蜂巣炎を含む)の診断・加療のアルゴリズム

[ID0601]1:眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見
[ID0602]2:眼窩蜂巣炎のCT検査所見
[ID0603]3:特発性眼窩炎症のCT検査所見
[ID0663]4:眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹
5:眼窩真菌症
出典
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1: 著者提供

眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見

眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症は鑑別がしばしば困難である。眼窩蜂巣炎のCT検査所見は[ID0602]を、特発性眼窩炎症のCT検査所見は[ID0603]を参照されたい。
a:6歳男児の眼窩蜂巣炎。血清生化学的所見では白血球数6,900/ul(正常値3,500~8,500/ul)、眼脂培養は陰性であった。アンピシリン点滴で治癒した。
b:15歳女児の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg  点滴 3日間)で治癒した。
c:53歳女性の眼窩蜂巣炎(Group I:CT検査所見は[ID0602]のa)。モダシンの点滴静注(1日 2~4g 2週間)で治癒した。
d:58歳男性の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg点滴3日間)で治癒した。
出典
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1: 久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ10.眼付属器疾患とその病理,大鹿哲郎編,中山書店,2012;213-217.
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2: Kubota T: Orbial Myostis. In: Jan Tore Gran ed. Idiopathic Inflammatory Myopathies-Recent Development In Tech, 2011: 123-142.[http://www.intechopen.com/articles/show/title/orbital-myositis/ In Techホームページ]

眼窩蜂巣炎のCT検査所見

5歳未満の小児は、上気道炎からの感染経路も考慮する。5歳以上は経皮、経結膜の感染もあるが、多くは副鼻腔炎からの感染の波及である。
a:53歳女性の眼窩蜂巣炎。びまん性陰影が左眼瞼のみにとどまっている状態(Group I)。眼瞼の所見はID0601〔眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見〕のcを参照。
b:58歳男性の眼窩蜂巣炎。副鼻腔炎が眼窩内に波及している(Group II)。
c:右上の状態からさらに眼窩内に波及した状態。眼瞼の状態は[ID0664](眼窩蜂巣炎の眼瞼、CT画像検査所見)を参照。
d:12歳女児の眼窩蜂巣炎(Group III)。眼瞼の状態とMRI検査所見は[ID0665](眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT 、脂肪抑制T2強調MRI画像所見)を参照。
出典
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1: 著者提供

特発性眼窩炎症のCT検査所見

特発性眼窩炎症は、それぞれの眼付属器に特異的に炎症を引き起こすことが特徴である。特発性眼窩炎症に副鼻腔炎を伴っていないことに注目。しかし、副鼻腔炎はありふれた疾患であり、慢性副鼻腔炎を合併した眼球周囲型の特発性眼窩炎症は、CT検査で類似するかもしれない。
a:涙腺型、b:びまん型、c:視神経周囲型、d:眼球周囲型、e:眼窩先端部型、f:眼窩筋炎型
出典
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1: Kubota T: Orbial Myostis. In: Jan Tore Gran ed. Idiopathic Inflammatory Myopathies-Recent Development In Tech, 2011: 123-142. [http://www.intechopen.com/articles/show/title/orbital-myositis/ In Techホームページ] 

眼窩蜂巣炎の状態の分類

眼窩蜂巣炎の重症度はⅠ~Ⅴに分類される。Ⅰは細菌感染とそれによる炎症が眼瞼のみにとどまっている段階、Ⅱ~Ⅳは眼窩内に進展し、眼症状を引き起こしている段階、Ⅴは眼窩から頭蓋内や髄膜に進展した段階である。
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1: 久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ10.眼付属器疾患とその病理,大鹿哲郎編,中山書店,2012;213-217.

眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹

14歳男児の右眼瞼の病変(a)。突然に右眼瞼が腫脹した。炎症所見はない(b)点と[ID0665](眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT、脂肪抑制T2強調MRI画像所見)との違いに注目。MRI検査所見は特徴的で、冠状断(T1、T2強調画像:c、d)にて内部が不均一である。
a:右眼の眼瞼腫脹がみられる。発赤がない点に注目。
b:CT検査所見で、腫瘤性病変とそれによる眼球圧迫がみられる。
c:水平断(T2強調画像)で、腫瘤性病変は低信号と高信号を伴った不均一な病態である。
d:水平断(T1強調画像)で、腫瘤性病変は低信号と高信号を伴った不均一な病態である。
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1: 著者提供

眼窩蜂巣炎の眼瞼、CT画像検査所見

眼球突出、眼球運動制限、視力低下(手動弁)を認める。血清生化学検査所見で、CRP値は3(正常値<0.3)で、篩骨洞からの培養所見は陰性であった。眼窩内へ眼窩蜂巣炎が波及し、CT検査所見で眼球の形状が鋭角になっていることに注目。眼窩内に炎症が起こり、眼窩内圧が高いためである。
a:右眼の著明な眼球突出、結膜浮腫がみられる。
b:CT検査所見では、右眼の眼球突出、眼球の変形、篩骨洞の陰影がみられる。
出典
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1: 久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ、10. 眼付属器疾患とその病理:中山書店許諾、転載

眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT 、脂肪抑制T2強調MRI画像所見

12歳女児の眼窩蜂巣炎(グループIII)(a)。CT検査所見では眼窩内のびまん性の陰影病変を示し、眼球が下方に圧排されている(b)。MRI検査所見(c、d)では硝子体と等信号所見(矢印)を示し、膿を形成している。[ID0663](眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹)との違いに注目。骨膜下に膿瘍があるため、膿がドーム状である(b、d)。加療は切開排膿を施行し、培養は嫌気性菌を示した。
出典
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1: 久保田敏信:眼窩蜂巣炎.:眼科診療クオリファイ、10. 眼付属器疾患とその病理:中山書店許諾、改変転載
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2: 久保田敏信:小児眼瞼眼窩手術の特殊性.新ES NOW、6 きれいな小児眼科手術:メディカルビュー社;2011.p14-17.許諾、改変転載

眼窩炎症性疾患(眼窩蜂巣炎を含む)の診断・加療のアルゴリズム

[ID0601]1:眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見
[ID0602]2:眼窩蜂巣炎のCT検査所見
[ID0603]3:特発性眼窩炎症のCT検査所見
[ID0663]4:眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹
5:眼窩真菌症
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1: 著者提供

眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見

眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症は鑑別がしばしば困難である。眼窩蜂巣炎のCT検査所見は[ID0602]を、特発性眼窩炎症のCT検査所見は[ID0603]を参照されたい。
a:6歳男児の眼窩蜂巣炎。血清生化学的所見では白血球数6,900/ul(正常値3,500~8,500/ul)、眼脂培養は陰性であった。アンピシリン点滴で治癒した。
b:15歳女児の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg  点滴 3日間)で治癒した。
c:53歳女性の眼窩蜂巣炎(Group I:CT検査所見は[ID0602]のa)。モダシンの点滴静注(1日 2~4g 2週間)で治癒した。
d:58歳男性の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg点滴3日間)で治癒した。
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1: 久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ10.眼付属器疾患とその病理,大鹿哲郎編,中山書店,2012;213-217.
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2: Kubota T: Orbial Myostis. In: Jan Tore Gran ed. Idiopathic Inflammatory Myopathies-Recent Development In Tech, 2011: 123-142.[http://www.intechopen.com/articles/show/title/orbital-myositis/ In Techホームページ]