64歳男性、13年前に左眼の中心性漿液性脈絡網膜症で治療を受けたことがある。 最近視力が低下したため受診。
a:眼底写真。眼底には中心窩周囲の漿液性網膜剥離と網膜色素上皮障害による色素異常(矢印)がみられる。
b:OCT。漿液性網膜剥離が確認できる。視細胞外節の延長は中心窩中央に僅かにみられるのみである。外顆粒層は菲薄化している。脈絡膜は肥厚しており、網膜色素上皮層が大きくうねっている。
c:フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)早期。早期から網膜色素上皮障害を示唆するwindow defectや色素沈着による背景蛍光のブロックがみられる。
d:FA後期。4カ所から蛍光漏出の拡大がみられるが、いずれもびまん性漏出で、漏出点を指摘することが難しい。
e:インドシアニングリーン蛍光眼底造影(ICGA)早期では、FAの漏出点付近の充盈遅延がみられる。視神経乳頭近傍に拡張した脈絡膜血管がみられる。
f:ICGA後期。過蛍光斑を数カ所みとめる。必ずしもFAの蛍光漏出点とは一致しない。脈絡膜全体がびまん性過蛍光を示す、脈絡異常組織染がみられる。