Now processing ... 
 Now searching ... 
 Now loading ... 

検査前確率(PTP)、および画像検査の施設ごとの利用状況に基づく段階的な非侵襲的画像検査のための診断フロー

CAD疑いまたは確定患者で中等度以上のPTPがあれば,非侵襲的画像検査が勧められる。侵襲的冠動脈造影は、非侵襲的画像検査によりLMCA/LMCA相当の病変(機能的イメージングで広範な虚血領域が証明され、かつ症状の進行を伴う状態など)が示唆される場合に望ましい検査方法であるが、負荷イメージングにおける中等度・重度虚血所見のみであれば、さらなる侵襲的評価を早急に行う必要はない。低PTP(<5%)ではさらなる検査を行わないことも妥当であるが、リスク評価目的で運動負荷心電図と冠動脈カルシウムスキャンを選択的に行ってもよい。
診断フローはPTP・CLおよび施設の非侵襲的検査の利用状況によって決まる。もし、CTがその施設における唯一の利用可能な画像検査装置である場合は、CCTAで非閉塞性CADがまず除外されるべきである(図左上“rule-out strategy”)。もし、施設における機能的負荷イメージングの経験が豊富であれば、これらのイメージング技術を診断およびリスク層別化を目的に使用することが妥当である(図右上“rule-in strategy”)。複数の画像検査が施行可能な施設では(図下“pre-test probability-guided strategy”)、CCTAはCADの存在を除外するためには望ましい検査であり、負荷イメージングは比較的高いPTPもしくは既知のCAD既往患者に対してリスク評価のためには望ましい検査である。
LMCA:左主幹部
出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

カナダ心臓血管協会(Canadian Cardiovascular Society)の狭心症重症度分類(CCS分類)

出典
img
1: Campeau L. Letter: Grading of angina pectoris. Circulation. 1976 Sep;54(3):522-3. (改変あり)

狭心症の評価方法

出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

年齢、性別、および胸部症状の性状に従った改訂版閉塞性冠動脈疾患の検査前確率(PTP)

古典的なDiamond-Forresterアプローチに、呼吸苦の項目も主たる症状として追加されている。PTP<5%(灰色)は必ずしも以降の非侵襲的検査を要しない(1.3 検査前確率・臨床的尤度(PTP・CL)シーケンスに基づいた適切な検査選択 参照)。
*:古典的なDiamond-Forrester分類に加え、呼吸困難のみ/または初期症状として呼吸困難があった患者
 
濃緑色:非侵襲的検査がもっとも有効な群(検査前確率[PTP]>15%)。
薄緑色:修飾されたPTPに基づいて臨床的尤度(CL)を総合的に判断したうえで、診断のための検査を考慮してもよい群(PTPが5~15%)。
出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

CADの臨床的尤度(CL)を構成する要素

出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

運動負荷心電図での陽性(ST低下所見)例

運動負荷心電図陽性所見の1例。労作性胸痛を有する67歳男性。トレッドミル運動負荷心電図にて、II、III、aVF、V4-V6誘導にて最大約0.2 mVの水平型ST低下を認める。
STL:ST-level、STS:ST-slope
出典
img
1: 著者提供

運動負荷心電図の虚血判定基準

トレッドミル負荷心電図での陽性判定基準
出典
img
1: 循環器学会ほか編:慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_yamagishi_tamaki.pdf(2020年8月閲覧)班長:山岸 正和/玉木 長良、p14、表8、運動負荷心電図の虚血判定基準

冠動脈CT検査における冠動脈狭窄像の1例

労作性胸痛にて受診した60歳男性。症状増悪型の胸痛を示したため、早期の冠動脈CT検査を施行したところ、左前下行枝近位部(矢印)に狭窄度90%の有意狭窄病変を認めた。
a:angiographic view
b:curved multi-planar reconstruction
出典
img
1: 著者提供

安定CADにおける検査前確率(PTP)・臨床的尤度(CL)の評価の役割

図中「図4」は次図[ID0702]
CAD:冠動脈疾患
出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

検査前確率(PTP)、および画像検査の施設ごとの利用状況に基づく段階的な非侵襲的画像検査のための診断フロー

CAD疑いまたは確定患者で中等度以上のPTPがあれば,非侵襲的画像検査が勧められる。侵襲的冠動脈造影は、非侵襲的画像検査によりLMCA/LMCA相当の病変(機能的イメージングで広範な虚血領域が証明され、かつ症状の進行を伴う状態など)が示唆される場合に望ましい検査方法であるが、負荷イメージングにおける中等度・重度虚血所見のみであれば、さらなる侵襲的評価を早急に行う必要はない。低PTP(<5%)ではさらなる検査を行わないことも妥当であるが、リスク評価目的で運動負荷心電図と冠動脈カルシウムスキャンを選択的に行ってもよい。
診断フローはPTP・CLおよび施設の非侵襲的検査の利用状況によって決まる。もし、CTがその施設における唯一の利用可能な画像検査装置である場合は、CCTAで非閉塞性CADがまず除外されるべきである(図左上“rule-out strategy”)。もし、施設における機能的負荷イメージングの経験が豊富であれば、これらのイメージング技術を診断およびリスク層別化を目的に使用することが妥当である(図右上“rule-in strategy”)。複数の画像検査が施行可能な施設では(図下“pre-test probability-guided strategy”)、CCTAはCADの存在を除外するためには望ましい検査であり、負荷イメージングは比較的高いPTPもしくは既知のCAD既往患者に対してリスク評価のためには望ましい検査である。
LMCA:左主幹部
出典
img
1: 日本循環器学会:2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Nakano.pdf(2024年7月閲覧)

カナダ心臓血管協会(Canadian Cardiovascular Society)の狭心症重症度分類(CCS分類)

出典
img
1: Campeau L. Letter: Grading of angina pectoris. Circulation. 1976 Sep;54(3):522-3. (改変あり)