CAD疑いまたは確定患者で中等度以上のPTPがあれば,非侵襲的画像検査が勧められる。侵襲的冠動脈造影は、非侵襲的画像検査によりLMCA/LMCA相当の病変(機能的イメージングで広範な虚血領域が証明され、かつ症状の進行を伴う状態など)が示唆される場合に望ましい検査方法であるが、負荷イメージングにおける中等度・重度虚血所見のみであれば、さらなる侵襲的評価を早急に行う必要はない。低PTP(<5%)ではさらなる検査を行わないことも妥当であるが、リスク評価目的で運動負荷心電図と冠動脈カルシウムスキャンを選択的に行ってもよい。
診断フローはPTP・CLおよび施設の非侵襲的検査の利用状況によって決まる。もし、CTがその施設における唯一の利用可能な画像検査装置である場合は、CCTAで非閉塞性CADがまず除外されるべきである(図左上“rule-out strategy”)。もし、施設における機能的負荷イメージングの経験が豊富であれば、これらのイメージング技術を診断およびリスク層別化を目的に使用することが妥当である(図右上“rule-in strategy”)。複数の画像検査が施行可能な施設では(図下“pre-test probability-guided strategy”)、CCTAはCADの存在を除外するためには望ましい検査であり、負荷イメージングは比較的高いPTPもしくは既知のCAD既往患者に対してリスク評価のためには望ましい検査である。
CCTA, coronary computed tomography angiography; FFR-CT, fractional flow reserve-computed tomography; INOCA, ischemia with non-obstructive coronary artery disease