耳介前リンパ節および後頚部リンパ節の腫脹では、頭部の感染、結核、全身性ウイルス感染症、皮膚悪性腫瘍、リンパ腫、頭頚部の扁平上皮癌などを疑う。
顎下リンパ節および前頸部リンパ節の腫脹では、急性上気道炎、結核、トキソプラズマ、サイトメガロウイルス、EBウイルス感染症、その他全身性ウイルス感染症、歯周炎、頭頸部原発扁平上皮癌、リンパ腫。
鎖骨上リンパ節では、腹腔・胸腔からリンパ流が流入するため腹部および胸腔内悪性腫瘍、甲状腺疾患、結核などが鑑別に挙がる。特に左鎖骨上窩リンパ節はVirchowリンパ節と呼ばれ、胸管が左鎖骨下静脈へ合流する位置にあるため、胃癌など腹腔内の悪性腫瘍の転移であることが多い。
参考文献:
Bazemore AW, Smucker DR: Lymphadenopathy and malignancy. Am Fam Physician, 2002; 66(11): 2103-10.