疼痛や尿路刺激症状などの症状がある場合には、それに従って鑑別を進める。わが国の血尿診断ガイドラインでは、非糸球体性血尿が持続する場合、腹部エコー、尿細胞診、適応があれば膀胱鏡検査を行うことを推奨している。実際には診断が確定しない例も多く、尿路癌のリスクに応じて経過観察を行う。長期間、無症候性で原因の特定されない顕微鏡的血尿では、その多くが軽症の慢性糸球体腎炎か菲薄基底膜病と報告される。
*肉眼的血尿のみを呈する疾患がないこと、肉眼的血尿の疫学的な情報が乏しい(泌尿器癌、尿管結石を除くと、頻度が低い疾患・診断が曖昧な疾患が大半を占める)ことから年齢・由来のみ区別した疾患表とした。
*上の表で①まれな疾患としてHIV感染、鎌状赤血球症、作為的な血尿(血液の作為的な尿への混入)、Alport症候群を削除、②比較的commonな血尿の原因であるナットクラッカー、前立腺肥大を追加――が改変である。
Cohen RA, Brown RS: Clinical practice. Microscopic hematuria. N Engl J Med. 2003 Jun 5;348(23):2330-8. PMID:12788998 より日本の現状をもとに改変