溶血性貧血の診断基準(厚生労働省特発性造血障害に関する調査研究班、2019年度改訂)
1974(昭和49)年に作成された「溶血性貧血診断の手引き」が1990(平成2)年、2004(平成16)年に改訂され、最新のものは、2019年(令和元年)度改訂版である。
出典
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)、特発性造血障害に関する調査研究班 診療の参照ガイド 令和元年度改訂版(研究代表者 三谷絹子):自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和 1 年改訂版(責任者 張替秀郎)、表2
溶血性貧血の分類(代表的なもの)
代表的な溶血性貧血の病型を列挙している。溶血性貧血はその原因によって、先天性と後天性に大別される。先天性は赤血球の膜異常、ヘモグロビン合成異常、酵素異常が主な病因である。後天性のものは赤血球自体に原因のある内因性と赤血球以外に原因のある外因性に分けられる。外因性は、免疫学的機序と物理機序によるものに分類できる。
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自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の診断基準
厚生労働省 特発性造血障害に関する調査研究班(2019年度改訂)
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)、特発性造血障害に関する調査研究班 診療の参照ガイド 令和元年度改訂版(研究代表者 三谷絹子):自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和 1 年改訂版(責任者 張替秀郎)、表3
温式AIHAの治療計画
標準的に採用されているステロイド薬による治療計画であり、研究班の前方視研究結果を加味した。ステロイド薬の投与量はプレドニゾロン換算1日量(mg/kg)を示す。
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)、特発性造血障害に関する調査研究班 診療の参照ガイド 令和元年度改訂版(研究代表者 三谷絹子):自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和 1 年改訂版(責任者 張替秀郎)、図6
特発性温式AIHAの長期経過と自然歴
前方視集団の追跡調査で得られた成績の概要をまとめた。
図右端の非寛解、寛解、みかけの治癒は、10年以上生存した症例のそれぞれ25%、60%、15%である。
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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)、特発性造血障害に関する調査研究班 診療の参照ガイド 令和元年度改訂版(研究代表者 三谷絹子):自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和 1 年改訂版(責任者 張替秀郎)、図11
免疫性溶血性貧血の診断フローチャート
免疫性溶血性貧血が疑われる場合は、まず直接Coombs試験を行う。陽性の場合は、抗赤血球抗体が赤血球表面に結合している。IgGや補体に対する特異抗体を用いてさらなる病型診断を行う。陰性の場合は、免疫性以外の病因を鑑別するが、赤血球に結合している抗体量が少ないCoombs陰性AIHAも考慮する必要がある。
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張替秀郎(責任者):自己免疫性溶血性貧血 診療の参照ガイド令和1年改訂版 特発性造血障害疾患の診療の参照ガイド 令和元年度改訂版 三谷絹子(研究代表者)編集