1:膀胱蓄尿障害の判断には、排尿日誌にて頻尿、尿意切迫感、尿失禁などが認められ、1回排尿量が少ないなどが参考となる。多尿の精査を行い、病態に応じた治療を行う。多尿に対する行動療法は膀胱蓄尿障害の有無にかかわらず行う。
2:膀胱蓄尿障害が見られない場合には夜間多尿に対する行動療法を行う。
3:夜間多尿に対する行動療法や膀胱蓄尿障害に対する治療効果不良、症状不変・悪化の場合には、心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性を考慮する。可能性があると判断された場合には各領域の専門医へ紹介する。
4:心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性がないと判断された場合には夜間多尿に対する薬物療法を考慮する。男性ではデスモプレシンの投与が可能である。デスモプレシンは低Na血症などの重篤な合併症が発生する可能性もあるため、投与前には禁忌事項の確認を行い、投与中は水分制限を徹底させるとともに、低Na血症発現に注意が必要であり定期的な受診が推奨される。