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夜間多尿の診療アルゴリズム

1:膀胱蓄尿障害の判断には、排尿日誌にて頻尿、尿意切迫感、尿失禁などが認められ、1回排尿量が少ないなどが参考となる。多尿の精査を行い、病態に応じた治療を行う。多尿に対する行動療法は膀胱蓄尿障害の有無にかかわらず行う。
2:膀胱蓄尿障害が見られない場合には夜間多尿に対する行動療法を行う。
3:夜間多尿に対する行動療法や膀胱蓄尿障害に対する治療効果不良、症状不変・悪化の場合には、心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性を考慮する。可能性があると判断された場合には各領域の専門医へ紹介する。
4:心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性がないと判断された場合には夜間多尿に対する薬物療法を考慮する。男性ではデスモプレシンの投与が可能である。デスモプレシンは低Na血症などの重篤な合併症が発生する可能性もあるため、投与前には禁忌事項の確認を行い、投与中は水分制限を徹底させるとともに、低Na血症発現に注意が必要であり定期的な受診が推奨される。
出典
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1: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 夜間頻尿診療ガイドライン 第2版. リッチヒルメディカル, 2020; p8.(『2023年アップデート版』)

過活動膀胱(OAB)の一般医家向けアルゴリズム

過活動膀胱症状を疑わせる下部尿路症状を訴える成人女性および成人男性を対象とする。未成年は対象外とする。
基本評価1:自覚症状、過活動膀胱症状スコア(OABSS)による評価、病歴・既往歴・合併症・服薬歴・水分摂取習慣の聴取、尿検査、残尿測定。
基本評価2:その他の症状質問票(国際前立腺症状スコア、主要下部尿路症状スコア、キング健康調査票など)、排尿記録、尿細菌検査、超音波検査、血清クレアチニン、血清前立腺特異抗原(PSA)、台上診(女性)、直腸診(男性)。
問題がある病歴・症状・検査初見:肉眼的血尿、高度排尿困難、尿閉の既往、再発性尿路感染症、骨盤部の手術・放射線治療の既往、神経疾患の合併または後遺症、腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱、膀胱痛、前立腺癌の疑い、超音波検査での異常(膀胱内に結石、腫瘍などの病変を疑わせる所見を認める)など。フレイル、認知症は治療選択にかかわることもあるため、一般診療と専門診療においては必要に応じてフレイルや認知症の有無に関してスクリーニング評価を行う。
出典
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1: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン 第3版. リッチヒルメディカル, 2022; p12, 図2より改変.

男性下部尿路症状に対する一般医家向けアルゴリズム

下部尿路症状(頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁、排尿困難、膀胱痛など)を訴える中高年男性を対象とする。
基本評価一般:症状と病歴の聴取、身体所見、尿検査、血清前立腺特異抗原(PSA)測定。
選択評価一般:症状、QOL質問票(OABSS等)による評価、排尿記録、残尿測定、尿細胞診、尿培養、血清クレアチニン測定、超音波検査(腎、膀胱、前立腺)。
尿閉、再発性尿路感染症、肉眼的血尿、骨盤内手術や放射線治療、神経疾患、下腹部膨隆、前立腺の異常、尿細胞診陽性、残尿過多、膀胱結石等があれば専門医への紹介を考慮。
出典
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1: 日本泌尿器科学会. 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン. リッチヒルメディカル, 2017; p2.

女性下部尿路症状に対する初期診療アルゴリズム

下部尿路症状(頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁、排尿困難、膀胱痛など)を訴える成人女性を対象とする。
基本評価1:症状と病歴の聴取、身体所見、尿検査。
基本評価2:症状、QOL質問票(OABSS等)による評価、排尿記録、残尿測定、尿細胞診、尿培養、血清クレアチニン測定、超音波検査。
尿閉、再発性尿路感染症、肉眼的血尿、骨盤内手術や放射線治療、神経疾患、下腹部膨隆、生殖器以上、骨盤臓器脱、膣瘻(膀胱・尿道)、尿道憩室、尿細胞診陽性、残尿過多、膀胱結石等があれば専門医への紹介を考慮。
 
出典
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1: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会/日本女性骨盤底学会. 女性下部尿路症状診療ガイドライン 第2版. リッチヒルメディカル, 2019.
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2: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会 . 過活動膀胱診療ガイドライン 第2版. リッチヒルメディカル, 2015.

経腹的測定法による超音波残尿量測定

出典
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1: 日本泌尿器科学会. 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン. リッチヒルメディカル, 2017; p82. (『2023年アップデート版』)

夜間多尿の診療アルゴリズム

1:膀胱蓄尿障害の判断には、排尿日誌にて頻尿、尿意切迫感、尿失禁などが認められ、1回排尿量が少ないなどが参考となる。多尿の精査を行い、病態に応じた治療を行う。多尿に対する行動療法は膀胱蓄尿障害の有無にかかわらず行う。
2:膀胱蓄尿障害が見られない場合には夜間多尿に対する行動療法を行う。
3:夜間多尿に対する行動療法や膀胱蓄尿障害に対する治療効果不良、症状不変・悪化の場合には、心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性を考慮する。可能性があると判断された場合には各領域の専門医へ紹介する。
4:心不全、降圧が不十分な高血圧、慢性腎臓病、睡眠呼吸障害などの可能性がないと判断された場合には夜間多尿に対する薬物療法を考慮する。男性ではデスモプレシンの投与が可能である。デスモプレシンは低Na血症などの重篤な合併症が発生する可能性もあるため、投与前には禁忌事項の確認を行い、投与中は水分制限を徹底させるとともに、低Na血症発現に注意が必要であり定期的な受診が推奨される。
出典
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1: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 夜間頻尿診療ガイドライン 第2版. リッチヒルメディカル, 2020; p8.(『2023年アップデート版』)

過活動膀胱(OAB)の一般医家向けアルゴリズム

過活動膀胱症状を疑わせる下部尿路症状を訴える成人女性および成人男性を対象とする。未成年は対象外とする。
基本評価1:自覚症状、過活動膀胱症状スコア(OABSS)による評価、病歴・既往歴・合併症・服薬歴・水分摂取習慣の聴取、尿検査、残尿測定。
基本評価2:その他の症状質問票(国際前立腺症状スコア、主要下部尿路症状スコア、キング健康調査票など)、排尿記録、尿細菌検査、超音波検査、血清クレアチニン、血清前立腺特異抗原(PSA)、台上診(女性)、直腸診(男性)。
問題がある病歴・症状・検査初見:肉眼的血尿、高度排尿困難、尿閉の既往、再発性尿路感染症、骨盤部の手術・放射線治療の既往、神経疾患の合併または後遺症、腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱、膀胱痛、前立腺癌の疑い、超音波検査での異常(膀胱内に結石、腫瘍などの病変を疑わせる所見を認める)など。フレイル、認知症は治療選択にかかわることもあるため、一般診療と専門診療においては必要に応じてフレイルや認知症の有無に関してスクリーニング評価を行う。
出典
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1: 日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会. 過活動膀胱診療ガイドライン 第3版. リッチヒルメディカル, 2022; p12, 図2より改変.