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眼球運動障害の初期診断の進め方

眼球運動障害の原因・部位診断に関する初期の判断分類を示した。①において、単独末梢神経麻痺が血管障害(虚血)によると推定する根拠群については問診・診察のポイント([ID0202])の途中、「眼球運動障害患者への診察8」に列挙している。
出典
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1: 著者提供

眼球運動障害(運動制限)の程度判定の一例:左側核間麻痺(MLF症候群)

眼球運動障害の程度は、極度周辺視をしていただいたときの眼球運動制限(回転不足)の程度で判定する。
a:正面視で右眼の視線は正面を見ているが、左眼の視線はやや外側を向いている(左眼が外斜している)。右眼がこの状況下では優位眼となっている。
b:極度左方視では、右眼も左眼も十分眼球が動いており、“黒目”の左側の“白目”が眼瞼で隠されている。(側方視で“白目が隠れる”のが正常の1つの目安になるが、眼瞼の形態が標準と少し異なる場合は適用できない。また、上方(下方)視の場合は対側眼と比べることが最も重要で、ほかに、黒目の下(上)縁が内・外眼角を結ぶ線よりも上(下)になるまで回転できることが正常の目安とされる。)
c:極度右方視では、右眼は十分回転し黒目外側(右側)の白目は見えなくなっている。左眼は回転不十分で正面を少し越えて止まっている。麻痺の程度を4段階で評価する方法では、正面までしか眼球が回転しない場合は-4で、十分回転できる状態を0とするので、この図からは左眼の右方への動き(内転)は-3と評価される。しかし、このような両眼開放下で周辺視をしていただく眼球運動(むき運動)ではなく、当該眼で見ていただききながら周辺視していただくひき運動(下段)をみるのが眼球運動制限の程度評価法としては正しい。
d:右眼の視野を手で隠して、左眼で極度右方視をしていただいた状態。左眼の内転運動はcの状態よりも改善しており、麻痺の程度は-1と評価される。
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一般医が眼球運動障害患者をみたらどこに紹介するか

原因が明確な眼球運動障害で当面の対応が可能な場合もあるが、一般眼科医でも眼球運動障害患者に正しく対処することはなかなか困難である。まして一般医が眼球運動障害患者を診たときは、専門医に紹介することがまず考えられる。神経眼科の訓練を受けた眼科医は少ないが、複数の眼科医が所属する施設ならその心得のある眼科医が存在する可能性が高い。また、脳外科や神経内科の協力が緊急に必要な場合もあることを考慮して紹介先を分けてみたのがこの図である。
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眼球運動障害の初期診断の進め方

眼球運動障害の原因・部位診断に関する初期の判断分類を示した。①において、単独末梢神経麻痺が血管障害(虚血)によると推定する根拠群については問診・診察のポイント([ID0202])の途中、「眼球運動障害患者への診察8」に列挙している。
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眼球運動障害(運動制限)の程度判定の一例:左側核間麻痺(MLF症候群)

眼球運動障害の程度は、極度周辺視をしていただいたときの眼球運動制限(回転不足)の程度で判定する。
a:正面視で右眼の視線は正面を見ているが、左眼の視線はやや外側を向いている(左眼が外斜している)。右眼がこの状況下では優位眼となっている。
b:極度左方視では、右眼も左眼も十分眼球が動いており、“黒目”の左側の“白目”が眼瞼で隠されている。(側方視で“白目が隠れる”のが正常の1つの目安になるが、眼瞼の形態が標準と少し異なる場合は適用できない。また、上方(下方)視の場合は対側眼と比べることが最も重要で、ほかに、黒目の下(上)縁が内・外眼角を結ぶ線よりも上(下)になるまで回転できることが正常の目安とされる。)
c:極度右方視では、右眼は十分回転し黒目外側(右側)の白目は見えなくなっている。左眼は回転不十分で正面を少し越えて止まっている。麻痺の程度を4段階で評価する方法では、正面までしか眼球が回転しない場合は-4で、十分回転できる状態を0とするので、この図からは左眼の右方への動き(内転)は-3と評価される。しかし、このような両眼開放下で周辺視をしていただく眼球運動(むき運動)ではなく、当該眼で見ていただききながら周辺視していただくひき運動(下段)をみるのが眼球運動制限の程度評価法としては正しい。
d:右眼の視野を手で隠して、左眼で極度右方視をしていただいた状態。左眼の内転運動はcの状態よりも改善しており、麻痺の程度は-1と評価される。
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