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診療報酬点数

医科第2章 特掲診療料第7部  リハビリテーション第1節  リハビリテーション料 > H000 心大血管疾患リハビリテーション料

H000 心大血管疾患リハビリテーション料

  1.  1 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)
  2.  イ 理学療法士による場合
    205点
  3.  ロ 作業療法士による場合
    205点
  4.  ハ 医師による場合
    205点
  5.  ニ 看護師による場合
    205点
  6.  ホ 集団療法による場合
    205点
  7.  2 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)
  8.  イ 理学療法士による場合
    125点
  9.  ロ 作業療法士による場合
    125点
  10.  ハ 医師による場合
    125点
  11.  ニ 看護師による場合
    125点
  12.  ホ 集団療法による場合
    125点

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法又は集団療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、治療開始日から150日を限度として所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合に は、150日を超えて所定点数を算定することができる。

2 注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して30日を限度として、早期リハ ビリテーション加算として、1単位につき25点を所定点数に加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して14日を限度として、初期加算として、1単位につき45点を更に所定点数に加算 する。

4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者(入院中のものに限る。)であって、リハビリテーションを実施する日に別に厚生労働大臣が定める患者であるものに対してリハビリテーションを行った場合は、発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して14日を限度として、急性期リハビリテーション加算として、1 単位につき50点を更に所定点数に加算する。

5 注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める 患者に対して、必要があって治療開始日から150日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り算定できるものとする。

6 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関における診療報酬の請求状況、診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合であって、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中の患者以外のものに対してリハビリテーションを行った場合は、リハビリテーションデー タ提出加算として、月1回に限り50点を所定点数に加算する。

通知

(1) 心大血管疾患リハビリテーション料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において算定するものであり、心機能の回復、当該疾患の再発予防等を図るために、心肺機能の評価による適切な運動処方に基づき運動療法等を個々の症例に応じて行った場合に算定する。なお、関係学会により周知されている「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(日本循環器学会、日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン)」に基づいて実施すること。

(2) 心大血管疾患リハビリテーション料の対象となる患者は、特掲診療料の施設基準等別表第九の四に掲げる対象患者であって、以下のいずれかに該当するものをいい、医師が個別に心大血管疾患リハビリテーションが必要であると認めるものであること。

ア 急性発症した心大血管疾患又は心大血管疾患の手術後の患者とは、急性心筋梗塞、狭心症、開心術後、経カテーテル大動脈弁置換術後、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)のものをいう。なお、心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)を算定する場合、急性心筋梗塞及び大血管疾患は発症後(手術を実施した場合は手術後) 1月以上経過したものに限る。

イ 慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患その他の慢性の心大血管の疾患により、一定程度以上の呼吸循環機能の低下及び日常生活能力の低下を来している患者とは、以下のいずれかに該当するものをいう。

(イ) 慢性心不全であって、左室駆出率 40%以下、最高酸素摂取量が基準値 80%以下、脳性Na利尿ペプチド(BNP)が 80pg/mL 以上の状態のもの又は脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)が 400pg/mL 以上の状態のもの

(ロ) 末梢動脈閉塞性疾患であって、間欠性跛行を呈する状態のもの

(ハ) 肺高血圧症のうち肺動脈性肺高血圧症又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症であって、 WHO肺高血圧症機能分類がⅠ~Ⅲ度の状態のもの

(3) 心大血管疾患リハビリテーション料の標準的な実施時間は、1回1時間(3単位)程度とするが、入院中の患者以外の患者については、1日当たり1時間(3単位)以上、1週 3時間(9単位)を標準とする。

(4) 心大血管疾患リハビリテーションは、専任の医師の指導管理の下に実施することとする。この場合、医師が直接監視を行うか、又は医師が同一建物内において直接監視をしている 他の従事者と常時連絡が取れる状態かつ緊急事態に即時的に対応できる態勢であること。また、専任の医師は定期的な心機能チェックの下に、運動処方を含むリハビリテーションの実施計画書を作成し、診療録に記載又は添付すること。この場合、入院中の患者については、当該療法を担当する医師又は理学療法士、作業療法士及び看護師の1人当たりの患者数は、それぞれ1回 15 人程度、1回5人程度とし、入院中の患者以外の患者については、それぞれ、1回 20 人程度、1回8人程度とする。

(5) 当該リハビリテーションと他の疾患別リハビリテーション及び集団コミュニケーション療法を同一の従事者が行う場合、心大血管疾患リハビリテーションに実際に従事した時間 20 分を1単位としてみなした上で、他の疾患別リハビリテーション等の実施単位数を足した値が、従事者1人につき1日 18 単位を標準とし、週 108 単位までとする。

(6) 心大血管疾患リハビリテーション料の所定点数には、同一日に行われる「D208」に掲げる心電図検査、「D209」に掲げる負荷心電図検査及び「D220」に掲げる呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープの費用が含まれる。

(7) 標準的算定日数を超えた患者については、「注5」に規定するとおり、1月に 13 単位に限り心大血管疾患リハビリテーション料の所定点数を算定できる。なお、その際、入院中の患者以外の患者にあっては、介護保険によるリハビリテーションの適用があるかについて、適切に評価し、患者の希望に基づき、介護保険によるリハビリテーションサービスを受けるために必要な支援を行うこと。ただし、特掲診療料の施設基準等別表第九の八に掲げる患者であって、別表第九の九に掲げる場合については、標準的算定日数を超えた場合であっても、標準的算定日数内の期間と同様に算定できるものである。なお、その留意事項は以下のとおりである。

ア 特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に規定する「その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められるもの」とは、別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続することにより状態の改善が期待できると医学的に認められる者をいうものである。

イ 特掲診療料の施設基準等別表第九の八に規定する「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者」とは、要介護状態又は要支援状態にある 40 歳以上の者であって、その要介護状態又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が、介護保険法第7条第3項第2号に規定する特定疾病によって生じたものであるものをいう。

(8) 「注2」に規定する早期リハビリテーション加算は、当該施設における心大血管疾患に対する治療開始後早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して1単位以上の個別療法を行った場合に算定できる。また、訓練室以外の病棟等(ベッドサイドを含む。)で実施した場合においても算定することができる。特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、「注2」に規定する加算は算定できない。

(9) 「注3」に規定する初期加算は、当該施設における心大血管疾患に対する治療開始後、より早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して「注2」に規定する加算と別に算定することができる。特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、「注3」に規定する加算は算定できない。

(10) 「注4」に規定する急性期リハビリテーション加算は、当該施設における心大血管疾患に対する治療開始後、重症患者に対するより早期からの急性期リハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して「注2」及び「注3」に規定する加算と別に算定することができる。特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、「注4」に規定する加算は算定できない。

(11) 「注4」に規定する急性期リハビリテーション加算の対象となる患者は、特掲診療料の 施設基準等別表九の十に掲げる対象患者であって、以下のいずれかに該当するものをいう。

ア 相当程度以上の日常生活能力の低下を来している患者とは、ADLの評価であるBIが 10 点以下のもの

イ 重度認知症の状態にあり、日常生活を送る上で介助が必要な患者とは、「「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について」におけるランクM以上に該当するもの

ウ 特別な管理を要する処置等を実施している患者とは、以下に示す処置等が実施されているもの

① 動脈圧測定(動脈ライン)

② シリンジポンプの管理

③ 中心静脈圧測定(中心静脈ライン)

④ 人工呼吸器の管理

⑤ 輸血や血液製剤の管理

⑥ 特殊な治療法等(CHDF、IABP、PCPS、補助人工心臓、ICP測定、EC MO)

エ リハビリテーションを実施する上で感染対策が特に必要な感染症並びにそれらの疑似症 患者とは、「A209」特定感染症入院医療管理加算の対象となる感染症、感染症法第6条第3項に規定する二類感染症及び同法同条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症の患者及び当該感染症を疑うもの。ただし、疑似症患者については初日に限り算定する。なお、「注4」に規定する加算を算定するに当たって、当該患者に対して「A209」特定感染症入院医療管理加算を算定している必要はない。

(12) 「注4」に規定する急性期リハビリテーション加算を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、算定の根拠となった要件(前項に掲げるアからエまでのいずれか)を日毎に記載すること。

(13) 「注5」に掲げる標準的算定日数を超えてリハビリテーションを継続する患者について、月の途中で標準的算定日数を超える場合においては、当該月における標準的算定日数を超 えた日以降に実施された疾患別リハビリテーションが 13 単位以下であること。

(14) 訓練を実施する場合、患者一人につき概ね3平方メートル以上の面積を確保すること。

(15) 「注6」に規定するリハビリテーションデータ提出加算を算定する場合には、次の点に留意すること。

ア 厚生労働省が毎年実施する外来医療等調査に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである。

提出されたデータについては、特定の患者個人を特定できないように集計し、厚生労働省保険局において外来医療等に係る実態の把握・分析等のために適宜活用されるものである。

イ 当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、心大血管疾患リハビリテーション料を現に算定している患者について、データを提出する外来診療に限り算定する。

ウ データの提出を行っていない場合又はデータの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月以降について、算定できない。な お、遅延等とは、厚生労働省が調査の一部事務を委託する調査事務局宛てに、調査実施説明資料に定められた期限までに、当該医療機関のデータが提出されていない場合(提出時刻が確認できない手段等、調査実施説明資料にて定められた提出方法以外の方法で提出された場合を含む。)、提出されたデータが調査実施説明資料に定められたデータと異なる内容であった場合(データが格納されていない空の媒体が提出された場合を含む。)をいう。

また、算定ができなくなった月以降、再度、データ提出の実績が認められた場合は、翌々月以降について、算定ができる。

エ データの作成は3月単位で行うものとし、作成されたデータには第1月の初日から第 3月の末日までにおいて対象となる診療に係るデータが全て含まれていなければならな

い。

オ イの「データ提出の実績が認められた保険医療機関」とは、データの提出が厚生労働省保険局医療課において確認され、その旨を通知された保険医療機関をいう。

(16) 心大血管疾患リハビリテーションを実施した患者であって、転医や転院に伴い他の保険医療機関でリハビリテーションが継続される予定であるものについて、当該患者の同意が得られた場合、3月以内に作成したリハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書等を当該他の保険医療機関に対して、文書により提供すること。なお、この場合において、当該患者が、直近3月以内に目標設定等支援・管理料を算定している場合には、目標設定等支援・管理シートも併せて提供すること。

(令和6年版)
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