やせ :トップ    
監修: 前野哲博 筑波大学医学医療系 地域医療教育学
中澤一弘1) 前野哲博2) 1)筑波大学 総合診療科 2)筑波大学医学医療系 地域医療教育学

概要

疾患のポイント:
  1. やせとは、体重減少を示し、6カ月間で5%以上の体重減少があれば、臨床的に問題のあるやせとして対応する。治療は原因疾患によって決定される。
  1. 米国で45歳以上の9,144人の一般人を対象とした調査では、年間5%以上の体重減少を認めた人数は5%であったとの報告がある。 エビデンス 
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. やせを主訴とする疾患で緊急の対応が必要な診断として、甲状腺クリーゼ、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、副腎不全、重症心不全、重症慢性呼吸不全、重症腎不全、結核、肺膿瘍、うつ病、双極性障害、麻薬中毒、覚醒剤中毒がある。それぞれの診断、症状に従い治療する。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 原因疾患に応じた治療や対応を行う。

専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 下記の重篤な疾患や、治療に難渋する例は各専門医への相談を考慮する必要がある。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 体重の変化の確認では、過去の健診の記録などを参考し、それらが入手できない場合は、服のサイズの変化を聴取する。
  1. 発熱もなく、エネルギーの消費量が増大するような疾患がなければ、次にエネルギー摂取不足を考える。
  1. 意図的にやせようとしたか、食欲の変化があったか、カロリー摂取量に変化があったか、活動性に変化がなかったかどうかを尋ねる。
  1. エネルギー摂取不足の原因の評価として、口腔内の状態(う歯、歯周炎、義歯不具合)、味覚障害、嚥下障害、下痢、うつ病、認知症、薬剤を評価する。
  1. スペインの三次病院で意図せず体重減少がある患者276人を1年間追跡した研究において、悪性腫瘍は38%で、消化器由来はその54%であったとの報告もある。したがって、消化管由来の悪性腫瘍を念頭に置きながら、胸部X線、腹部エコー、上下部消…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時、悪性腫瘍の有無を評価するための検査例
  1. 特に80歳以上の高齢者の臨床的に問題のあるやせでは、悪性腫瘍の可能性が高くなるので、他の原因疾患の鑑別も行いながら、悪性腫瘍の有無を評価するための検査を行う。
○ 悪性腫瘍の有無を評価する場合には、1)に加えて2)を侵襲度の低い順に行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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やせの鑑別のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13