非特異性多発性小腸潰瘍症 :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
樋口和秀 大阪医科大学 第二内科

概要

疾患のポイント:
  1. 非特異性多発性小腸潰瘍症とは、回腸末端を除く下部小腸を中心に多発性の浅い潰瘍が多発する疾患であり、若年者に好発する。腹痛や潰瘍からの出血による下血、それに付随する貧血などを主症状とする。非特異性多発性小腸潰瘍症の主な病態は、慢性小腸潰瘍からの持続性潜性消化管出血と低蛋白血症である。
  1. 非特異性多発性小腸潰瘍症の主な病態は、慢性小腸潰瘍からの持続性潜性消化管出血と低蛋白血症である。
  1. この度、非特異性多発性小腸潰瘍症は、さまざまな研究により、SLCO2A1というプロスタグランジンのトランスポーターに関する遺伝子の変異に起因する疾患であることが解明され、本症の英語疾患名がchronic enteropathy associated with SLCO2A1(CEAS)という新名称に変更された。
  1. 小腸病変の肉眼所見として、終末回腸以外の回腸に浅い輪状、縦走、ないし斜走潰瘍が多発する。
  1. 組織学的には潰瘍は粘膜層ないし粘膜下層に限局し、形質細胞、リンパ球、好酸球を主体とする軽度の炎症細胞浸潤がみられる。
  1. 女性に好発し、多くは幼・若年期に発症する。
  1. 長期間に及ぶ持続性潜性の消化管出血による高度の貧血および低蛋白血症に関連した症状が主症状である。
  1. 非特異性多発性小腸潰瘍症は、指定難病であり、重症例(ヘモグロビン10.0g/dl以下の貧血、あるいはアルブミン値 3.0g/dl以下の低アルブミン血症、あるいは合併症として、腸管狭窄による腸閉塞症状を呈する場合)などでは、申請し認定されると、保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年7月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 下記の診断基準に沿って、臨床的事項、X線・内視鏡所見を確認し、鑑別疾患を除外することにより診断となる。
  1. 非特異性多発性小腸潰瘍症診断基準
  1. 基準:
  1. 確診例:1. 主要所見のAに加え、Bの1) あるいは2) またはCが認められるもの。2. 十分に検索された標本上Cを満足するもの。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

貧血、低蛋白血症、炎症所見の有無をみる検査
貧血、低蛋白血症、炎症所見の有無をみる検査を行う。
○ 貧血と栄養状態を把握するために1)、2)を、炎症の程度をみるために3)、4)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

非特異性多発性小腸潰瘍症の診断基準
非特異性多発性小腸潰瘍症の肉眼所見
非特異性多発性小腸潰瘍症の小腸X線所見
非特異性多発性小腸潰瘍症の小腸内視鏡所見
非特異性多発性小腸潰瘍症の内視鏡所見
著者校正/監修レビュー済
2017/05/31