周期性四肢麻痺 :トップ    
監修: 庄司進一 筑波大学
望月昭英 つくばセントラル病院 神経内科

概要

疾患のポイント:
  1. 周期性四肢麻痺とは、反復する一過性の四肢筋の対称性の脱力発作であって、会話や呼吸に異常がないときに強く疑う。脱力発作の持続時間は数時間から数日である。
  1. 過度の運動、暴飲・暴食、寒冷曝露などに続き、四肢筋の違和感ののち深夜から早朝に下肢から上肢に広がる筋脱力で発症することが多い。なお、病名にあるような、一定間隔で繰り返すという意味の周期性はない。
  1. 発作時の生化学検査から低カリウム血性と高カリウム血性に分類される。原因には遺伝性と症候性がある。
  1. 麻酔時に低カリウム血性では悪性高熱症の発症、高カリウム血性では咬筋や呼吸筋のミオトニーによる気管内挿管やレスピレーター管理の障害の可能性がある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 問診と診察により診断する。反復する、一過性、対称性、弛緩性の四肢の筋脱力を認めるが、通常呼吸筋や脳神経領域の麻痺はない。夜間や起床時に生じやすい。
 
原因の評価:
  1. 症候性の原因には、低カリウム血症を来す疾患、薬物と、高カリウム血症を来す疾患、薬物がある。
  1. 最も多い原因は、青年男性で甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム血性例で、全体の約半数を占める。
  1. 誘因として、低カリウム血性には過度の運動、炭水化物やナトリウムの過剰摂取、飲酒、高カリウム血性には過度の運動、カリウムの過剰摂取、寒冷などがある。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 筋脱力の強さと持続時間、血清カリウム値と心電図異常の有無、呼吸筋麻痺や脳神経領域の麻痺の合併により決定される。
 
治療: >詳細情報 
  1. 発作時の治療:
  1. 発作時には、血清カリウム値を測定し、低カリウム血症であればカリウム製剤の内服を行う。高カリウム血症であれば、心電図監視下でグルコン酸カルシウムの静注などにより血清カリウム値の補正を行う。
  1. 発作予防:
  1. 発作予防には、誘因の回避の指導のほか、炭酸脱水酵素抑制薬の内服を基本とする。
  1. さらに低カリウム血性であれば、カリウム製剤やカリウム保持性利尿薬の内服を、また高カリウム血性であればサイアザイド系利尿薬の内服を考慮する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時筋脱力を来す病態の把握のための検査
  1. 低カリウム血性か高カリウム血性かを鑑別する。
  1. 基礎疾患や続発性ミオパチーの有無を確認する。
○ 全例に1)3)の検査を行う。低カリウム血症がみつかるか、疑われる場合に2)の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

著者校正/監修レビュー済
2016/05/13