多毛 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
乾重樹 大阪大学 皮膚・毛髪再生医学

概要

症状のポイント:
  1. 多毛とは、軟毛の硬毛化であり、毛包や毛髪の数の増加ではない。
  1. 男性型多毛症(hirsutism)と無性毛型多毛症(hypertrichosis)の2つの概念があり、前者は女性にみられる特定部位の多毛であり、後者は性別に関係ない全身性の多毛である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 婦人科疾患や内分泌疾患に合併している場合も多く、婦人科や内分泌内科と連携して診断治療に当たる。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 婦人科疾患や内分泌疾患を中心に考慮し、患者の希望を聞きながらレーザーやIPL、エフロルニチン・クリームなどを用いて対症療法を行う。
 
診断へのアプローチ:アルゴリズム >詳細情報 
  1. イタリアの統計では男性型多毛症の原因としては多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome; PCOS)による場合が70%以上、原因不明の特発性が23%、副腎過形成4.3%、アンドロゲン産生腫瘍0.2%、その他クッシング症候群、先端肥大症、高プロラクチン血症、薬剤性などによる場合もある。
  1. 月経異常や不妊の有無、薬剤の使用歴、副腎過形成の家族歴、妊娠の有無、先天性疾患、悪性腫瘍や他内科疾患について問診する。
  1. 進行スピードを問診する。急激な進行はアンドロゲン産生腫瘍を示唆する。
  1. Ferriman-Gallwey hirsutism scoring system(多毛スコア)<図表>を用いて多毛の程度を客観的に評価する。
  1. 多毛スコアは口囲、髭部、胸部、腹部、背部、殿部、陰毛、上肢、下肢の9カ所について1~4点で多毛の程度を評価し、その総点が7点以下を正常、8~15点は軽度、16点以上を中等度以上とする。
  1. 婦人科疾患や内分泌疾患に合併している場合も多く、婦人科や内分泌内科と連携して診断治療に当たる。血中男性ホルモン値、17-ヒドロキシプロゲステロン(卵胞期)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルチゾール、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

高アンドロゲン血症の有無を調べる検査例
  1. アルゴリズムに従って必要な場合に行う。
  1. 男性型多毛症の原因としては多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome; PCOS)による場合が70%以上、原因不明の特発性が23%、副腎過形成4.3%、アンドロゲン産生腫瘍0.2%、その他クッシング症候群、先端肥大 症、高プロラクチン血症、薬剤性などによる場合もある。
○ 多毛の部位が男性ホルモン依存症の部位(前記)であることを確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

男性型多毛症の診断アルゴリズム
Ferriman-Gallwey hirsutism scoring system(多毛スコア)
PCOSに伴う多毛症
クッシング症候群に伴う多毛
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01