下腿潰瘍 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
末木博彦 昭和大学医学部 皮膚科学講座

概要

症状のポイント:
  1. 下腿潰瘍とは下腿に生ずる難治性皮膚潰瘍の総称であり、狭義には静脈うっ滞によるものを指す。
  1. 下腿潰瘍の80%前後は静脈瘤による静脈うっ滞により生じる。
  1. 静脈性潰瘍は下腿内側下1/3に好発し、比較的浅い潰瘍で虫食い状になりやすく、壊死物質は少なく、周囲にうっ滞性皮膚炎と色素沈着を伴いやすいという特徴がある。
  1. 静脈うっ滞以外の病態として、動脈性血行障害、リンパ管循環障害、膠原病・膠原病類縁疾患・血管炎、異常蛋白血症、感染症、皮膚悪性腫瘍などがある。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 深部静脈血栓症を伴う下腿潰瘍で呼吸困難、 胸痛など肺血栓塞栓症の併発が疑われる場合は救急対応を要する。

症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 静脈性潰瘍の治療の基本は弾性包帯もしくは弾性ストッキング着用による圧迫療法である。
  1. ほかの治療方法として、抗潰瘍外用療法、血管内レーザー治療、静脈除去術(ストリッピング手術)、高位結紮術、硬化療法などがある。
  1. 深部静脈血栓症や動静脈瘻、リンパ浮腫、膠原病、血管炎、動脈性血行障害、外傷、細菌感染、悪性腫瘍などが原因の場合は原疾患の治療を要する。
 
診断へのアプローチ:アルゴリズム
  1. 問診では以下のポイントを押さえ、必要な情報を得る。
  1. ①立ち仕事の経歴、②出産歴、③下肢が重い、だるいなどの自覚症状、④誘因となる外傷の有無、⑤外用薬や消毒薬の使用歴
  1. 必要に応じて静脈エコーや下肢静脈造影により静脈弁不全、不全交通枝、深部静脈血栓・閉塞の有無を精査する。
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 下記の疾患が頻度の高い疾患、重篤な疾患、まれな治療可能な疾患である。
  1. 頻度の高い疾患: >詳細情報 
  1. 静脈うっ滞による下腿潰瘍<図表>、リンパ管循環障害による下腿潰瘍…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

静脈性潰瘍かそれ以外の原因かを判断する診察・検査例
  1. 下腿潰瘍の80%前後は静脈瘤による静脈うっ滞により生じる。
  1. 立位での静脈瘤の視認、伏在静脈の触知が基本的診察事項である。
○ 静脈性潰瘍のスクリーニング検査として1)が、術前検査として2)が推奨される。典型例では1)2)の感度、特異度に差はない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療アルゴリズム
静脈性下腿潰瘍の典型的な臨床像
リンパ管循環障害による潰瘍
結節性多発動脈炎(皮膚型)における皮膚潰瘍
リベド血管症における皮膚潰瘍
大伏在静脈瘤に伴う下腿潰瘍の代表的臨床像
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13