多形滲出性紅斑 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
相原道子 横浜市立大学 環境免疫病態皮膚科学教室

概要

疾患のポイント:
  1. 多形滲出性紅斑とは、境界明瞭で円形や環状の紅斑が四肢を中心として左右対称に多数形成される病態である。
  1. 原因としてはウイルス・細菌感染アレルギーや薬剤によるものが多いが、さまざまな原因で引き起こされる。
  1. 若年から中年の女性に多く、春~夏に多い。薬剤性や腫瘍に伴う場合は高齢者にもみられる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 四肢の環状紅斑や標的状病変(target lesion)をみたら診断する。
  1. 多形滲出性紅斑では、環状や円形の浮腫性紅斑が左右対称性に多発する。手背や四肢伸側の関節部に多く、薬剤性や腫瘍に伴う場合は体幹にも拡大する。個疹は辺縁が隆起し、中心に発赤の増強を伴うと標的状病変となる。
  1. 多型滲出性紅斑:<図表>
  1. 病因は感染アレルギー(単純ヘルペスウイルスなどのウイルス、マイコプラズマ、溶血性レンサ球菌など)や薬剤アレルギーが多く、その他昆虫アレルギー、膠原病、寒冷刺激、造血器腫瘍などの悪性腫瘍でもみられる。
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 扁桃腺炎、単純ヘルペス、内臓悪性腫瘍、薬疹を評価する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 通常、2~4週間で自然治癒する。
  1. 重症度は以下に分類される。
  1. 軽症:手背などに限局した数個の紅斑
  1. 中等症:紅斑が四肢に拡大、ときに顔面にも出現
  1. 重症多形紅斑:発熱と全身の紅斑および非出血性、非壊死性の口唇炎
  1. 最重症型(Stevens-Johnson 症候群):高熱と粘膜疹、肝機能障害などの臓器障害
 
治療: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療例
  1. 「ベリーストロング群」ないし「ストロング群」のステロイド軟膏の外用を行う。浮腫が著しく水疱を形成する場合は「ストロンゲスト」群のステロイドを使用することもある。
  1. 症状が著しいときや、発熱、肝機能障害を伴うときにはステロイド薬の全身投与を行う。
  1. 痒みに応じて抗ヒスタミン薬を内服する。
○ 紅斑には1)を用いる。重症度に応じて1)と2)または1)と3)を併用する。痒みが強ければさらに4)を併用する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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多形滲出性紅斑治療アルゴリズム
多型滲出性紅斑
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25