手足口病(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
細矢光亮 福島県立医科大学 小児科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 手足口病とは、エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA16などによって起こる、掌、足の裏、口腔内の水疱を主訴とするウイルス性疾患である。
  1. エンテロウイルスの一般的な感染経路は糞口(fecal-oral)あるいは飛沫(oral-oropharyngeal)によるヒト-ヒト感染である。
  1. 手足口病は感染症法5類感染症であり小児科定点医療機関では週単位で届出をする必要がある。
  1. 潜伏期は通常3~6日である。呼吸器系へのウイルス排泄は通常1週間未満であるが、糞便への排泄は発症から数週間持続する。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 手足口病は、手足口に水疱性発疹を来す疾患であり、臨床症状により診断する。
  1. 手足口に水疱性発疹を認めた場合、手足口病の可能性が高い。
  1. エンテロウイルスは初夏から秋にかけて流行すること、周囲で流行があることが診断の参考になる。
  1. 原因ウイルスの診断には、血清診断、ウイルス分離、ウイルス遺伝子検出がある。

重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. エンテロウイルス感染症の多くは自然治癒する予後のよい疾患であり、治療は主に対症療法となる。
  1. 発熱や水分摂取不良による脱水症状、髄膜炎、脳幹脳炎、弛緩性麻痺、ギラン・バレー症候群などの神経系合併症に注意する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 手足口病は、一般に自然治癒する予後のよい疾患であり、治療は主に対症療法である。
  1. 口腔内の水疱やびらんによる疼痛にて飲水が困難な場合は、点滴補液を行う。
  1. 接触感染や飛沫感染を起こすので、罹患者に接する場合は、標準的予防策に加え、接触感染予防策をとる。
  1. おむつの交換後は手洗いを励行する
  1. 学校保健安全法施行規則では、手足口病は「学校において予防すべき伝染病」に直接は規定されていないが、第3種のなかの「その他の伝染病」に入り、伝染の恐れがなくなるまで集団生活は見合わせる。
  1. 発熱がなく、口腔内の水疱・潰瘍による食事摂取困難がなければ、登園・登校が可能である。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断と治療例
  1. 手足口病の診察では、全身状態、脱水症状、神経症状などに注意する。
  1. 患児の状態を把握する。
  1. 脱水がある場合は、経口または点滴補液を行う。
  1. 改善があれば外来で治療を継続し、改善がなければ二次病院へ紹介する。
  1. 全身状態が不良であれば、入院治療が適当であるので、二次病院へ紹介する。
  1. 髄膜炎、脳幹脳炎、弛緩性麻痺、ギラン・バレー症候群などを疑わせる神経症状がある場合は、三次病院に搬送する。
○ 児の全身状態を把握し、脱水症状を認める場合は1)、2)、4)、6)を施行する。脱水状態が強い場合は3)、5)を追加し、7)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

手足口病診察のアルゴリズム
エンテロウイルス感染症の病態
エンテロウイルス71型の遺伝子系統解析(B亜群)
エンテロウイルス71型の遺伝子系統解析(C亜群)
手足口病
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01