川崎病(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
林泰佑 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 器官病態系内科部 循環器科

概要

疾患のポイント:
  1. 川崎病とは、主に4歳以下に好発する原因不明の熱性疾患で、6つの主要徴候(5日間以上の発熱、眼球結膜の充血、口唇の発赤・苺舌などの口腔所見、頸部リンパ節腫大、不定形発疹、四肢末端の変化(急性期:四肢末端の発赤、硬性浮腫 回復期:膜様落屑))や冠動脈所見から診断される疾患である。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 表に示した診断基準に基づいて主要症状および参考条項から本疾患を疑い、類似の症状を示す他の疾患(化膿性頚部リンパ節炎、溶連菌感染症、種々のウイルス感染症等)の可能性を除外することによって診断する。
  1. 川崎病診断基準:<図表>
  1. 鑑別疾患:
  1. 眼球結膜充血については、眼脂や眼瞼結膜充血、濾胞の形成を伴う例ではウイルス感染性の結膜炎を疑う。
  1. 頸部の腫脹については、エコーでリンパ節が単房性に腫脹しているのか多房性に腫脹しているのかが本疾患と化膿性頸部リンパ節炎とを鑑別するのに有用である。
 
予後: >詳細情報 
  1. 急性期死亡率は0.01~0.1%程度である。
  1. 急性期にまれに心筋炎を生じるほか、冠状動脈瘤を発生することがある。無治療では高率に冠状動脈瘤を形成する。アスピリン大量療法が主たる治療であった1983年には16.7%で冠状動脈瘤の残存が報告されているが、ヒト免疫グロブリン大量療法の導入により、2007年には3.8%まで減少した。
 
治療: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 診断後の治療の基本は、アスピリンとヒト免疫グロブリンの投与である。全身状態が悪くない例に対しては、治療時期を逃さない範囲で川崎病の診断確定を優先する。
  1. ヒト免疫グロブリン投与:
  1. ヒト免疫グロブリン大量療法は7病日までに開始することが望ましい。ヒト免疫グロブリン投与終了後に解熱しない、あるいは再発熱する例についてはヒト免疫グロブリンの再投与を行う。
  1. アスピリン投与:
  1. 有熱時のアスピリン投与量は約30mg/kg/日を投与する。解熱した例については、アスピリンの投与量を3~5mg/kg/日 分1に変更する。…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療前の全身状態の評価
  1. 川崎病の急性期においては、肝逸脱酵素の上昇や胆道系酵素の上昇、電解質異常(低ナトリウム)などを生じていることが多いため、その後の薬剤選択(アスピリンを投与可能かどうか)や輸液内容を決定するために血液検査を必要とする。また、各種のリスクスコア、特に近年ではヒト免疫グロブリン大量療法不応例の予測を試みるリスクスコアが臨床の場に普及しており、治療前にリスクスコアを評価できるよう検査しておきたい。
  1. また、冠動脈の状態(<図表><図表>)など、治療前に評価を行い、急性期に拡大などの変化を生じているかどうかベースラインを把握していることが必要である。また、川崎病の重症例では急性期に心筋炎を発症して心機能障害を来している例もあるとされるため、心機能についても評価しておく。
○ 治療前の全身状態・リスクの評価目的で、下記の1)~20)の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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ガイドラインのまとめ
不全型川崎病の評価フローチャート
川崎病診断基準
群馬スコア
久留米スコア
大阪スコア
冠動脈の心エコー図
冠動脈の心エコー図
著者校正/監修レビュー済
2018/04/02