甲状腺腫瘍 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
三宅成智 北野博也 鳥取大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科頭頸部外科

概要

疾患のポイント:
  1. 甲状腺腫瘍には良性腫瘍、悪性腫瘍があり、良性腫瘍では主なものとして濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫がある。腺腫様甲状腺腫の頻度は高くわが国の成人女性の数%に認める。
  1. 甲状腺悪性腫瘍は、濾胞上皮由来の乳頭癌、濾胞腺癌、未分化癌と傍濾胞細胞由来の髄様癌、および悪性リンパ腫などその他の悪性腫瘍に分類される。わが国における甲状腺癌の組織型別頻度は、乳頭癌92.5%、濾胞癌4.8%、髄様癌1.8%、未分化癌1.4%である。小児甲状腺癌は成人と比較して長期の生命予後は良好であり、これは一般的な癌との相違点である。
 
良悪性の鑑別: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 甲状腺腫瘍では、良悪性の鑑別を行うことが最も重要である。また、組織型の類推のほか、甲状腺機能の亢進・低下などのコントロールに問題がないかを検査する必要がある。
  1. 血液検査:
  1. 血液検査では、甲状腺ホルモン(FreeT3、T4)とTSH、甲状腺自己抗体(抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体、サイロイドテスト、マイクロゾームテスト)、血清サイログロブリンなどのほか、髄様癌の腫瘍マーカーとなる血中カルシトニン、CEAを測定する。また髄様癌を疑う症例では、遺伝学的検査(RET変異の有無)を血液検査で行える。副甲状腺機能のスクリーニングのため、Ca、Albの測定も必要である。
  1. 画像検査:
  1. 超音波検査は最も大切な検査の1つである。悪性を示唆する所見である腫瘍の境界不明瞭、辺縁不整、縦/横比大、低エコー、微細石灰化などの特徴をスクリーニングし、同時に、甲状腺内の腫瘍の広がり、リンパ節腫脹の有無とその質的診断を行う。
  1. 細胞診:
  1. ほとんどの症例で穿刺吸引細胞診を行う。乳頭癌では比較的信頼度が高いこと、濾胞腺腫と濾胞腺癌の鑑別は穿刺吸引細胞診では行えないことが重要である。
 
腺腫様甲状腺腫の診断と治療: >詳細情報 
  1. 腺腫様甲状腺腫は結節性増殖が多発するのが特徴で、頻度はわが国の成人女性の数%である。ときに腫瘍内出血…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. まずは、頸部エコーを行う。簡便で侵襲がないが、得られる情報は大きい。また必要に応じて、同時にFNACを行う。
  1. 血液検査:かならずスクリーニングとして血液検査を行い、甲状腺機能や血清カルシウムの異常がないか、また橋本病やバセドウ病の合併がないかを鑑別する。
○ 下記検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

乳頭癌の治療方針
濾胞腺癌(またはその疑い)の治療
髄様癌の治療
甲状腺良性腫瘍のCT
甲状腺未分化癌 CT
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


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