頸部嚢胞性疾患 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
峯田周幸 浜松医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

概要

ポイント:
  1. 頸部嚢胞性疾患は先天性の疾患が多い。
  1. 頸部正中にできるものは正中頸嚢胞・類皮嚢胞/類表皮嚢胞(dermoid/epidermoid cyst)・奇形腫(teratoma)が、側頸部には側頸嚢胞・第1鰓裂由来嚢胞・第4鰓裂由来嚢胞・胸腺嚢胞がある。
  1. 高頻度にみられるのは正中頸嚢胞と側頸嚢胞である。
  1. 遺残している管の両端が開いているのをfistula(瘻孔)、1端が開いているのをsinus(陥凹)、いずれも開いていないのをcyst(嚢胞)と呼ぶ。
 
正中頸嚢胞:
  1. ポイント:
  1. 胎生5週から甲状腺原基が舌盲孔から甲状舌管として頸部正中を下降しはじめ、第7週には第2~3気管輪の位置に達する。第10週までには甲状舌管は萎縮消退する。この過程で、遺残物が嚢胞形成したものが正中頸嚢胞である。
  1. 診断:
  1. 診断は、腫瘤の触知される場所と性状、長い経過、そして頭頸部に腫瘍性疾患をみないことから診断される。頸部CT、頸部MRIにて評価し、転移性頸部リンパ節癌、悪性リンパ腫の除外を行う。
  1. 治療:
  1. 25%が自然破裂して排膿する。保存療法として、排膿の際に抗菌薬を用いる。菌種はインフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌が多く、抗菌薬は菌の同定をするまでは、広域スペクトラムをもつペニシリン系あるいはセフェム系を使う。
  1. 根治治療は手術である。手術適応となるのは、感染を繰り返す、美容的な問題がある、悪性疾患との鑑別が困難な場合、などである。
  1. 正中頸嚢胞の所見:<図表>
  1. 正中頸嚢胞の頸部写真:<図表>
  1. 正中頸嚢胞の造影CT写真:<図表>
  1. 正中頸嚢胞のMRI写真(T2強調):<図表>
  1. 正中頸嚢胞の手術:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

頸部嚢胞性疾患の評価例
  1. 造影されない腫瘍をみる。辺縁はスムーズである。
○ 以下の検査は必須である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

正中頸嚢胞の頸部写真
正中頸嚢胞の造影CT写真
側頸嚢胞の頸部写真
側頸嚢胞の超音波写真
側頸嚢胞の造影CT写真
側頸嚢胞のMRI写真(T1Gd造影)
側頸嚢胞の手術の模式図
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01