クラゲ刺傷 :トップ    
監修: 志賀隆 東京ベイ浦安市川医療センター
山上浩 湘南鎌倉総合病院 救急総合診療科

概要

疾患のポイント:
  1. クラゲ刺傷とは、文字通りクラゲによる刺傷である。世界中で最も多くみられる海洋危険生物刺傷である。日本各地沿岸において、アンドンクラゲ、カツオノエボシによる被害が多く、7~9月に多発する。<図表>
  1. クラゲは刺胞動物であり、触手に刺胞と呼ばれるカプセル状の毒があり、それに触れると毒が注入される。皮膚より注入されたクラゲ毒が、皮膚症状時には全身血流に入り全身症状を引き起こす。例えば、イルカンジ症候群では、刺傷後30分前後から生じる強い全身症状を来すもので、イルカンジクラゲ刺傷による発生の報告が多い。
  1. 海洋生物刺傷のアルゴリズム Marine envenomation:アルゴリズム
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 診断は、クラゲ刺傷の発生している海水内での刺傷ということ、また皮疹のパターンにより臨床的に行う。
  1. tentacle printsと呼ばれる触手の痕を認めればクラゲ刺傷が疑わしい。<図表>
  1. tentacle prints:<図表>

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 重症度は、クラゲの種類、患者因子、曝露時間・量、初期治療方法によって変わってくる。クラゲ刺傷の多くは、刺傷部位のズキズキ・ヒリヒリとした痛み・痒みであるが、ときには全身症状が出現し、致死的になることもある。
 
治療:
  1. 触手が残っている場合は、海水をかけたり、プラスチックカードで優しく擦りながら速やかに除去する。
  1. カツオノエボシを除くクラゲ刺傷に対して、食酢をかける。酢に毒の放出を抑制する効果が認められている。逆にカツオノエボシに対しては、酢は毒の放出を誘発する可能性があるため勧められていない。 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初療時の治療例
  1. 食酢は刺胞からの毒の放出を抑制するが、カツオノエボシに対しては毒の放出を促進し得るため注意が必要である。
  1. 患部を温水に20分間浸すことで鎮痛効果が得られる。
○ まず温水に浸す。カツオノエボシに対して、酢は使ってはならない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

クラゲ刺傷の初診時のアルゴリズム
海洋生物刺傷のアルゴリズム Marine envenomation
tentacle prints
オーストラリアウンバチクラゲ抗毒素血清
クラゲ刺傷のメカニズム
水泡を生じたクラゲ刺傷
ハコクラゲ(box-jellyfish)の典型であるオーストラリアウンバチクラゲ(Chironex fleckeri)刺傷による壊死。
カツオノエボシ
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28

改訂のポイント:
  1. 外傷初期診療ガイドライン改訂第5
に基づき確認を行った(変更点なし)。


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