コンパートメント症候群 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
松井健太郎 帝京大学 整形外科学講座 外傷センター

概要

疾患のポイント:
  1. コンパートメント症候群とは、「強すぎる腫脹の結果、問題が生じる状態」である。外傷や疾病の結果、コンパートメント内圧が上昇し、局所灌流障害などを呈する緊急疾患である。
  1. 腫張のある部位で、損傷に見合わないほど強い自発痛や鎮痛薬でもコントロール不能な疼痛がある場合に想起する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 意識が清明である場合は、病歴と症状、診察所見から診断する。その場合、コンパートメント徴候の6Pの確認:①Pain(疼痛)、②Pallor(蒼白)、③Paralysis(運動麻痺)、④Paresthesia(錯感覚)、⑤Pressure(or firmness)(腫脹、緊満)、⑥Pulselessness(脈拍消失)――を念頭に置いて診察する。 解説 
  1. Pressure(患肢の腫脹、緊満が強い)がある部位で、ストレッチテスト陽性(他動的にコンパートメント内の筋を伸展させることで疼痛が誘発される)が典型的所見である。
  1. 症状と臨床所見からの診断が難しい場合、コンパートメント内圧測定の結果を診断の助けとする。具体的には、拡張期血圧とコンパートメント内圧の差(ΔP)が、30mmHgより小さい場合は原則コンパートメント症候群として筋膜切開等の対応を行い、ΔPが、30mmHgより大きい場合は持続的にΔPの評価を行い、臨床所見の出現や圧格差の推移を評価する。
  1. アルゴリズム:アルゴリズム
  1. Passive stretch test:<図表>
  1. 水疱形成:<図表>
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 原因は、骨折が最も多く(69%)、その他血管損傷、挫滅症候群、再灌流障害、横紋筋融解、熱傷、凝固異常、外部からの圧迫などがある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

コンパートメント症候群の初期治療における要点
  1. 臨床所見から診断をする。
  1. 局所の強い腫脹や緊満、外傷に見合わない強い疼痛、しびれが初期診断には重要。
  1. ストレッチテストが診断に有用。
  1. 臨床所見から診断に至らない場合、コンパートメント内圧測定を行う。
○ 本症候群を疑った場合、下記1)~3)を必ず行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

コンパートメント症候群の診断と治療のアルゴリズム
前腕コンパートメント
手部コンパートメント
殿部コンパートメント
下腿コンパートメント
足部コンパートメント
コンパートメント症候群の原因疾患
水疱形成
Passive stretch test
内圧測定の方法
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30


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