今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 長田伝重 獨協医科大学 日光医療センター整形外科

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2024/09/18
参考ガイドライン:
  1. 日本整形外科学会日本手外科学会:橈骨遠位端診療ガイドライン2017 改訂第2版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、難治症例の治療について追記した。

概要・推奨   

  1. 転位のある橈骨遠位端骨折は、なんらかの麻酔下に徒手整復を行うことが推奨される(推奨度1)
  1. 徒手整復後ギプスシーネ固定後のpalmar tiltが-10°未満で、ulnar varianceが2 mm以下(健側差)であれば保存的加療が推奨される(推奨度1)
  1. 不安定型骨折、Smith骨折、掌側Barton骨折、step-offあるいはgapが2 mm以上ある関節内骨折、Melone分類III、IV型、両側骨折例、開放性骨折は手術療法が推奨される(推奨度1)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
ポイント:
  1. 橈骨遠位端骨折は、手関節周辺骨折では最も一般的に発生する骨折である。高齢者や小児が手を突いて受傷することが多いが、交通事故、高所からの転落、スポーツなど高エネルギー損傷によっても発生する。ときに尺骨遠位端骨折が合併する。橈骨遠位端骨折の受傷原因は年齢によって異なり、小児ではスポーツ、青壮年男性では転落や交通事故など、骨粗鬆症を伴った40歳以上の女性では転倒が多いが、全体では圧倒的に転倒が多い。
  1. 橈骨遠位端骨折の発生率は脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折に次いで多い。
 
解剖の説明:
  1. 前腕遠位部には橈骨と尺骨が存在し、関節は橈骨手根関節と遠位橈尺関節がある。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 受傷原因、受傷時の肢位を確認する(背屈あるいは掌屈強制)。

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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
長田伝重 : 特許使用料(ミズホ(株)),研究費・助成金など(ミズホ(株))[2024年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2024年]

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橈骨遠位端骨折

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