今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石井道人 医療法人ミチテラス ファミリークリニックあざみ野

監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問

著者校正/監修レビュー済:2025/04/23
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、典型的症例を提示した。
 

概要・推奨   

  1. 症状は大きく「局所反応」、「全身反応(アナフィラキシー)」、「毒液による中毒」、「二次感染」に分けられる。
  1. 全身反応を来した患者には、免疫療法が勧められる(推奨度1)
  1. LLRを生じた患者には、免疫療法は必ずしも必要ではない(推奨度3)
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  1. アナフィラキシーの治療にH1ブロッカーは広く用いられているが、現時点で確固たるエビデンスはない(推奨度3)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. ハチ刺傷によるわが国での死亡者数は年間30人前後で推移している[1]。被害は夏期に集中し、アウトドアや林業での被害報告が多い。脳卒中や心疾患による突然死と誤診されている可能性もあり、実際の犠牲者数はさらに多いものと思われる。
  1. ハチ刺傷の0.3~3%がアナフィラキシーに至る[2][3][4]。重症例は中高年に多く、機序は不明だが小児の重症化は少ない。男性の報告が多いが、男性の感受性が高いというよりハチ刺傷の多い職業(林業、電気工事業、養蜂業)の男女差が関与しているものと思われる。
  1. 毒液そのものによる中毒は、数十~数百回分の刺傷を同時に受けた場合以外では問題とならない。問題となるのは毒液に対するI型アレルギー反応である。
  1. 特に「毒液アレルギー」を持つ患者が刺された場合に重症化する。「毒液アレルギー」を持つ者は高率に全身反応を来す[5][6]
  1. ハチ刺傷時のアナフィラキシーリスクと免疫療法の必要性:<図表>
  1. ハチ特異的IgE抗体の保有率、皮膚テスト陽性率は一般人口の25~30%とされる[7][8]。「毒液アレルギー」を持つ患者は高率にハチ特異的IgE抗体を保有し、皮膚テストで陽性となることが多いが、頻度は不明である。
  1. ハチ毒によりアナフィラキシーに至った場合、アドレナリンの頻回投与に抵抗し難治となることがある[9][10]
  1. 執筆時現在(2025年2月)、世界中でハチ毒抽出物の入手が困難となっており、免疫療法を受けることが難しくなっている。
 
  1. 小児では皮膚症状を越える全身反応がみられた場合に限り、免疫療法を勧める(推奨度2)
  1. まとめ:小児の場合、皮膚を越す全身反応がみられた患者では2度目の刺傷で30%が同様の症状を来す[11]
    一方で皮膚症状にとどまる全身症状は小児の場合多くにみられ、2度目の刺傷で重症化することが少ないとされる[12]
  1. 代表事例:一度ハチ刺傷により全身反応を来した小児患者を、免疫療法施行群と非施行群に分けた。再度刺傷された患児について、治療群は有意に全身反応の率が低かった(1.2% vs 9.2%、p<0.001)。非治療群の患児でも2度目の刺傷はほとんど1度目より軽症であった。
 
  1. 毒液による直接の中毒症状が出現することはまれである。
  1. まとめ:毒液の中毒では嘔吐、下痢、頭痛、めまいなどを生じる。溶血、腎不全、横紋筋融解に至ることもある[13]
    ただし通常は刺されても数カ所なので毒量が少量にとどまり、症状を来すことはない[14]。発症した場合毒液を中和しうる特異的な抗体などはない。
  1. 代表事例:20匹以上に同時に刺され、腎不全を来した症例報告がある[15]
    LD50(半数致死量)は75 kgで1,500回の刺傷とされる[16]
 
  1. 毒液アレルギーの遺伝性については未解明である。
  1. まとめ:ハチの毒液アレルギーに遺伝的傾向があるかはわかっていない。
  1. 代表事例:1割の患者に家族歴があったとする報告と、HLA-typingの結果まったく無関係であるという相反する報告がある[17][18]
問診・診察のポイント  
  1. 刺傷痕でハチの種類を判別するのは難しい。ただし種類の同定は免疫療法を行う際に役立つ可能性があり、できるかぎり問診で同定できるよう努める。人口密集地域では巣の存在は大きな脅威となる。予防、公衆衛生上の観点から、営巣の有無も確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石井道人 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:箕輪良行 : 特に申告事項無し[2025年]

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