エボラウイルス病・エボラ出血熱 :トップ 監修:大曲貴夫 国立国際医療研究センター
古宮伸洋

概要

疾患のポイント:
  1. エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)またはエボラウイルス病(Ebola virus disease)とは、フィロウイルス科エボラウイルス属のRNAウイルスによる急性ウイルス感染症である。
  1. 発熱、頭痛などの非特異的な急性ウイルス感染症状で発症し、重症化した場合には多臓器不全や出血症状を来たす事のある致死率の高い疾患である。消化管などから出血症状を来すことがありエボラ出血熱と呼ばれていたが、出血症状を示さないケースも多いことから現在、国際的にはエボラウイルス病と呼ばれることが多い。
  1. 血液、便、吐物などの患者体液に直接接触することでヒト-ヒト感染を起こす。飛沫感染や空気感染の可能性については議論があるが、少なくとも空気感染する可能性は否定的と考えられている。
  1. 確立された特異的治療やワクチンはなく、補液を中心とした支持療法が治療の中心である。
  1. 現感染症法では、一類感染症に指定されており、患者が発生した場合は直ちに届けが必要である。特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関でのみ受け入れ可能となっている。また、病原体は特定一種病原体に指定されている。現在のところ、我が国での感染例は認めていない。
  1. 感染症指定医療機関の指定状況 平成28年4月11日版:<図表>
 
診断:
  1. ポイント:
  1. 症状は非特異的であるため、症状のみから診断することは困難である。エボラウイルス病患者への接触歴を確認することが重要である。
  1. 通常発症後3~10日目にはウイルス血症を来しており、確定診断は通常この時期の血液からRT-PCR法によるRNAの検出によってなされる。検体としては、血清、咽頭ぬぐい液、尿、ホルマリン固定された剖検組織、皮膚生検検体などを用いることができる。なお、発症から3日未満の場合にはウイルス量がRT-PCR検査の検出感度以下であることがあり、必要に応じて評価を繰り返す必要がある[1]。回復期以降(8日目以降)には血清抗体検査で抗体を検出することが出来る[2]

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エボラ出血熱検疫時及び国内患者発生時の全体フローチャート(暫定版)平成27年10月2日版
救急外来におけるエボラウイルス病疑い患者の初診アルゴリズム
感染症指定医療機関の指定状況 平成28年4月11日版
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30