サルモネラ症 :トップ    
監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター
倉井華子 静岡がんセンター感染症内科

概要

疾患のポイント:
  1. サルモネラ症とは、チフスやパラチフス以外のサルモネラ菌の感染により起こった感染症である。急性発症の発熱、腹痛、下痢が典型例であるが、嘔吐や血便を伴うこともあり、合併症として菌血症や感染性動脈炎がある。
  1. 発症は、95%以上が食事由来であり、卵や卵の加工食品が原因となることが多い。調理不十分な肉も次いで多い。
  1. 潜伏期間は、摂取から12~72時間である。
  1. HIV感染者などの免疫不全者、高齢者(特に動脈瘤がある患者)、幼小児(特に3カ月以内未満)では、菌血症や心内膜炎、感染性動脈瘤、骨髄炎などの合併症のリスクが上がるため、血液培養も採取する。
  1. 感染性胃腸炎は感染症法では5類疾患に定められ、基幹定点医療機関から報告を受けている。なお、腸チフス、パラチフスは3類疾患であり、ただちに届け出が必要である。また、食品衛生法では、食中毒(疑い例を含む)を診断、またはその死体を検案した場合は、ただちに最寄りの保健所に届出を行うこととなっている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 症状から、サルモネラ症と他の感染性腸炎と鑑別することは難しい。
  1. 便培養を採取し、培養結果でチフスやパラチフス以外のサルモネラ菌が同定されることにより診断となる。通常、細菌検査室に提出する際には、サルモネラ以外に赤痢、カンピロバクター、エルシニアも培養を依頼する(特殊培地が必要になる)。海外渡航歴があれば、赤痢アメーバの検査も追加する。
  1. 発熱が続く患者、ハイリスク患者(高齢者、3カ月未満の小児、長期ステロイド使用、免疫抑制薬使用、進行癌、血液悪性腫瘍患者などの免疫不全患者など)では血液培養も採取し、菌血症の評価を行う。(ハイリスク患者の説明: >詳細情報 )
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. ハイリスク患者(上記)では、重症化しやすい。
 
原因疾患・合併疾患の評価: >詳細情報 
  1. 血液培養陽性が持続する場合には、椎体炎や感染性動脈瘤の検索が必要である。造影CTやMRIを行う。
  1. サルモネラ菌血症に伴う大動脈瘤:<図表>…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

脱水の評価例
  1. 症状、身体所見から脱水の程度と飲水が可能か評価する。
○  症状に加え、脱水の評価を目的とし、以下の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

急性下痢症状のマネジメント
サルモネラ菌血症に伴う大動脈瘤
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28

改訂のポイント
  1. 2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea
に基づき改定。