フレイル・サルコペニア

著者: 関口健二 信州大学医学部附属病院 総合診療科

監修: 大蔵暢 やまと在宅診療所 大崎

著者校正/監修レビュー済:2020/07/03
参考ガイドライン:
  1. The Asia-Pacific Clinical Practice Guidelines for the Management of Frailty. J Am Med Dir Assoc. 2017 Jul 1;18(7):564-575. Erratum in: J Am Med Dir Assoc. 2018 Jan;19(1):94.
  1. Best practice guidelines for the management of frailty: a British Geriatrics Society, Age UK and Royal College of General Practitioners report. Age Ageing. 2014 Nov;43(6):744-7.
  1. サルコペニア診療ガイドライン2017年版 一部改訂(2019年)

概要・推奨  

フレイルとは
  1. フレイルとは、高齢期に生理的予備能が低下して、ストレスに対する脆弱性が亢進した状態である。
  1. フレイルはサルコペニアを含有する概念である。
  1. フレイルは、急性疾患、入院、手術、環境要因などのストレスに耐えられず、望ましくない転帰(転倒、急性疾患、生活機能障害、死亡など)に陥りやすい。
  1. フレイルは、予備力が著しく低下しているため、小さなストレスであっても、大きな変化を生じる危険がある。
 
フレイルの診断
  1. フレイルを診断し介入することは、望ましくない転帰に陥るリスクを減少しうる。そしてそれは、高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment、CGA)そのものである。
  1. フレイルの診断は、高い妥当性が確認された診断ツール(FRAILスコア、Friedフレイル診断基準)を用いておこなうことができる。
  1. フレイルを増悪する因子(ポリファーマシー、低活動、低栄養など)を同定し介入することは、予備力のさらなる低下を予防する。
 
フレイルへのアプローチ
  1. フレイルは慢性進行性の状態であり、重症度のスペクトラムが広い。
  1. フレイルは、早期であるほど可逆性が高いため、早期発見、早期介入がカギを握る。また多因子が複雑に絡み合っており、多面的介入が重要である。
  1. ポリファーマシーに対しては、ガイドラインに沿って不適切・不要な薬剤を減量・中止していく事が強く推奨される。
  1. 低活動に対する運動療法は、レジスタンス運動を含んでいて、個別化されており、徐々に負荷を上げていくものが強く推奨される。予防的アプローチとしても最も有効である。
  1. 倦怠感、体重減少などはフレイルの主要症候であるが、安易に「齢のせい」などとせず、可逆因子の検索を検討する。
  1. フレイルな高齢者の介入計画を立てるには、本人、家族、医療スタッフとの協働意思決定支援が欠かせない。つまり、患者の価値観・人生観を共有し、現状における介入の利益とリスクの共有し、どの程度の介入を実施するかを協働しながら意思決定する過程である。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. サルコペニア診療ガイドライン2017年版 一部改訂(2019年)に基づき、近年ますます重要性を増すサルコペニア(主に病歴と身体所見)について追記した。

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