卵巣癌(初期):I~II期 :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
藤原寛行 自治医科大学付属病院 産婦人科

概要

疾患のポイント:
  1. 卵巣癌とは、卵巣に上皮性悪性腫瘍が発生した状態で、病理学的には、漿液性癌、類内膜癌、明細胞癌、粘液癌、その他、に分けられる。
  1. 日本人女性の卵巣癌の罹患率(人口10万人対)は、14.3(2012年)である。
 
症状:
  1. 腹部膨満感、体重増加、便秘、下痢、腹痛、膀胱炎様症状、不正帯下、咳、労作時呼吸苦、倦怠感、微熱など、多彩な症状を示すことがあるが、初期は無症状であることが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 骨盤造影MRIや採血のCA125などの検査は診断に有用ではあるが、診断のゴールドスタンダードは開腹生検である。
  1. 卵巣癌が疑われた患者は、婦人科腫瘍専門医による速やかな開腹生検が必要である。
 
ステージング:
  1. TNM分類にてステージングをする。(ステージング詳細 >詳細情報  )
  1. 最も重要な予後因子は病期である。(予後 >詳細情報 )
 
治療: >詳細情報 
  1. 卵巣癌治療の原則は、完全摘出を目指した最大限の腫瘍減量手術を行うことである。
  1. 病巣が卵巣に限局していると予想される場合に推奨される術式は、両側付属器摘出術+子宮全摘出術+大網切除に加え、腹腔細胞診+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清(もしくは生検)+腹腔内各所の生検である。
  1. 傍大動脈リンパ節郭清については、診断的意義は確立しているが、治療的意義は必ずしも確立されていない。
  1. 術後、大半の症例は化学療法による集学的な治療が必要となる(staging laparotomyによって確定したIa、Ib期かつ分化度grade1の症例は術後化学療法を省略できる)。
  1. 術前化学療法の必要時(多くはⅢc期またはⅣ期)には化学療法を行う。
  1. 妊孕能温存療法は、適応(漿液性癌、粘液性癌および類内膜癌で進行期Ia期、分化度grade1または2)であるかを正確に判断し、十分なインフォームドコンセントを行ったうえで施行するか否かを決定する。温存基本術式は患側付属器摘出術+大網切除術+腹腔細胞診(+対側卵巣生検、骨盤・傍大動脈リンパ節郭清[もしくは生検]…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

卵巣癌 術前の評価例
  1. 卵巣癌が疑われる場合、速やかに産婦人科医(婦人科腫瘍専門医)に紹介をする。
  1. 骨盤造影MRIや採血のCA125などの検査は診断に有用ではあるが、診断のゴールドスタンダードは開腹生検である。
  1. 通常、開腹手術前には胸腹部CT、骨盤MRI、消化管癌が疑われる場合は上下部内視鏡が行われる。
  1. 穿刺による腹水採取が可能な場合、術前診断の一助となる。また腹腔鏡下に腹腔内の観察、腫瘍生検が行われることもある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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卵巣癌の治療
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31